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[2] 「さいたま~パティスリー&カフェ・パドゥドゥ~小さな森プロジェクト」

 2010年5月1日、さいたまの東大宮で「パドゥドゥ洋菓子店」がリニューアルオープンし「パティスリー&カフェ・パドゥドウ」として生まれ変わりました。



■■これから始まる大切な時間■■2009年5月

■「パドゥドゥ」が生まれてから2010年に25年目を迎えようとしていました。

■その25周年に合わせて、これまでの経験を生かして新しいお店をリニューアルオープンすることを決心しました。

■場所は東大宮駅西口から歩いて3分くらい、ちょっと静かな商店街を通り抜けた先の3階建てのコンクリート造のビルの1階にお店はありました。

■2階は同じ名前の美容室がテナントさんで入っています。

■3階はお菓子屋さんのスタッフが使う、休憩室、事務室そして倉庫がありました。

■改装前は「パドゥドゥ洋菓子店」という名前で、ケーキ、お菓子の製造、販売及びギフト商品、雑貨等の販売をお店の1階で24年ほど続けてきました。

■お菓子たちのことを「大地の恵み」と表現していました。

■その地域のお客様には、お値段はちょっと高めだけれどもおいしくて贈り物にはピッタリだわ、というような評価を頂いていたようです。

■当時としても素材にこだわり手づくりにこだわったお菓子作りをしていましたので、そのあたりも評価されていたのだと思います。

■24年間、それまでも改装はたびたび行っていて、だいたい5~6年に1度くらいで何らかの改装をしていました。といっても内装のみの改装で済ましていました。

■今回もこれまでのように内装メインの改装で、お菓子の製造販売のお店としてこれまでと内容的にはさほど変わらない形での改装を予想していました。

■その上でどのようにしたら新しいお店としてイメージを一新し、地域のお客様にさらに高い評価をしていただくか、ということを第一に考えていました。

■今まで思い描いていた理想的なお菓子屋さんを作り上げることができたらなぁ、と夢見ていました。

■・・・



■■お店の立地を考えてみます■■2009年

■立地条件としてはそれほど悪くないように見える場所でした。

■駅前ではありませんでしたが、大きな道路に面していて車の交通量が当時少しづつ多くなってきているようには感じられました。

■しかしお店の前の歩道を歩いている人といえば、学校へ通う子供たちが通学時に大勢連れ立って通っていくばかりで、それ以外はあまり人通りは多くありませんでした。

■このことは最初のオープンの時から、どうしてなの?と不思議に思っていたことでした。

■原因ははっきりしませんが駅前広場ロータリーも原因のひとつのような気がしています。

■ロータリーで車はぐるっと1周できるのですが、その周りの歩道は人が歩いて一周できない設計になっていて車道を無理に渡ろうとするとちょっと危ない感じがしていました。

■東口はちゃんと横断歩道が道路に描かれていてぐるっと一周できるようになっていますので明らかに設計が不思議な感じです。

■通勤で駅に通って来たり駅から自宅に帰る人たちは駅前商店街を通ると遠回りになってしまいますので、みんな商店街の1本隣の道路を通るようになってしまいました。

■そうなると駅前商店街だけでなくお菓子屋さんの前も通らなくなって、結局通勤客の人はいつも同じ道を通りますのでここにお菓子屋さんがあることに気付かない、という人もいそうです。

■駅からも近く人通りもありそうなのですが些細な事で人通りの少ない商店街になってしまいお店の前も人通りが少ないという、残念な結果になっていました。

■地方の駅前商店街に人が集まらなくなってしまっているということがニュースでもたびたび取り上げられていますが意外とこんな理由が原因だったりするのではないでしょうか。

■こんな理由とは、横断歩道を一か所節約した、ということです。

■近隣地域のお客様には何かのついでに寄って頂けるお店でもあり、お菓子を買うためにわざわざ来て頂けるようなそんなお店を目指してきましたが、

■この地域ではお買い物はみなさん車で移動しますから駐車場がないと商売にはならないと言われるようなそんな場所でした。駅近なのに残念です。

■・・・



■■駐車場のこと■■2009年

■最初の開店の時はお店の隣の駐車場は普通に地主さんにお借りしていました。

■その後コインパーキングになり、さらに何か理由があったのでしょうが2010年のリニューアルオープン時の数年前には結局閉鎖されてしまいました。

■少し離れたところに専用駐車場を見つけることはできましたが駐車台数が少なく不便なためお客様の利用は限られることになってしまいました。

■駐車場だった場所が閉鎖されると、全面ただただアスファルトの殺風景な空き地が隣にできてしまい、お客様に対してもですが同時にお店の景観的にも、正直これは困ったことになったと思いました。

■お店も含め建物全体として駐車場と一体で計画することができたら動線的にも景観的にもよりすばらしい場所になるのではないかと期待していました。

■駐車場を広場として解放してオープンカフェとかヨーロッパのマルシェのように地域の人々が勝手気ままに集まってきて楽しいひと時を過ごせるような、そんなイベント広場になればいいのに、と夢見ていました。

■この駐車場の問題はしばらくは解決しそうにありませんでしたし解決には時間がかかるだろうことは覚悟していました。

■ただ、いずれは必ず解決しなければいけないことだという気持ちはいつも持っていました。

■・・・



■■コンセプトはどのように考えるか?考える■■2009年

■地域のお客様にどのように喜んでいただけるのかということを考えることが新しいお菓子屋さんをつくっていく上での出発点でした。

■「パドゥドゥ」というお店の名前は最初にお店がオープンする時に考えました。バレーの用語で、舞台で男女が一対一のペアになって踊ること、それがパドゥドゥということでした。

■フランスを中心としたヨーロッパのお菓子屋さんを目指していましたので、フランス語の名前で考えました。お年寄りにはちょっと言いにくい名前だったようです。

■お店のスタッフとお客様、お客様とお客様、お店と生産者さん、お店のスタッフとスタッフ、お店と近隣地域の人々、様々な人と人とのつながりがここ「パドゥドゥ」を舞台に生まれてほしい、そんな願いを込めて考えました。

■リニューアルするお店の名前も変わらず「パドゥドゥ」にすることを決めました。

■2階に「美容室パドゥドゥ」さんがありますが、最初2階に入られるときに名前を「パドゥドゥ」にさせてほしいと申し入れがあり、今でもそのままいっしょにがんばっています。

■「パドゥドゥ」という名前が本当は一番はっきりとコンセプトを表現しているのですが、今回の改装ではさらに新しいコンセプトを重ね合わせて、舞台の場面が突然転換するように新しい「パドゥドゥ」が生まれることを期待していました。

■まずどうやってコンセプトを考えていったらよいものかということで、みんなでコンセプトをどう考えるか、ということから始めました。

■コンセプトとは何ぞや、と言い出すと話しがややこしくなってしまいますので私たちはこう考えました。厳密にはコンセプトとは言えないかもしれませんが、平気です。

■「自分たちの目指すイメージを思い切って言葉で言うこと」、イメージは普通頭で考えるように思われますが私たちはそれを「口」で言うことにしました。

■まず最初はネタを集めることに集中しました。雑誌、書籍、ホームページ等集めやすいものから集めて、みんなで目指すべきイメージを話し合いました。

■そして次の時までにまたネタを一生懸命さがしてみんなで持ち寄って又話し合いをしました。そして又次に続けて、という具合にそれぞれのイメージをどんどん口に出して言うという作業を繰り返しました。

■この段階ではあまり言葉やイメージを急いでまとめないようにして、いろいろな言葉、イメージがあたかも宙にぷかぷか浮かんでいるような状態をあえて続けるようにしていました。

■イメージを頭の中だけで考えていたのではそれは単に画像でしかなく、実際に体験することを通して初めて身に付いていき、そうすることによって自分自身がイメージの中を自由に動き回ることができるようになります。

■集めたネタ(情報)もネタ(情報)のままではちゃんとしたイメージになりませんので、実際に街に出かけて直接見たり触ったり食べたり空間を体験したりすることが大切になってきます。

■いよいよその段階に入ってきたようで、机の前から立ち上がって街に出かけるようにしました。出発です。

■・・・



■■取りあえず、お菓子屋さんを探して■■2009年

■もちろん最初はお菓子屋さんを巡りました。雑誌とかで良さげなお店とか探して、ホームページで調べて出かけて行ったりしました。

■でも残念ながらピンと来るものがなかったのです。このことはそれらのお店が目指しているものではないということかというと、そうとばかり言えない場合もあります。

■目指しているイメージがしっかりできていない場合にもこのようなピンとこないケースはよくあります。最初はそのケースだったような気もします。

■お菓子屋さんを目指している場合にお菓子屋さんを参考にしようとすることは、イメージ的には勘違いしやすいのかもしれません。

■作戦を少し変えて、取りあえずお菓子屋さんではない他のお店を巡ることにしました。

■家具屋さん、雑貨屋さん、骨とう品屋さん、花屋さん、 そしてカフェ、レストラン、このあたりがイメージに近そうで参考になりそうです。

■・・・



■■全体のゾーニングの検討■■2009年

■この頃になるとコンセプトやイメージの話しをしているとどうしても空間の話が多く出てくるようになります。

■今までのお店にない新しい部分、ケーキとお菓子の製造販売以外の部分ということになるのですが、その部分をどうするかという問題です。

■「雑貨スペース」「飲食スペース」「ワークショップスペース」という部分が話し合いのなかでちょくちょく出てきていました。

■「雑貨」については今までのお店でもスペースを設けて販売は行っていましたが、それほどコンセプトにこだわった商品ということではなくギフトとかお土産にお菓子といっしょにいかがですか、という位置づけでした。

■それを今回の改修ではもっと大切な位置づけとして、商品選びからディスプレーまで新しいコンセプトに沿った展開を考えていきましょうということです。

■「ワークショップ」については、3階のスペースを改修してサロン的な雰囲気のする場所をつくり定期的に様々なワークショップを企画開催する計画になっています。

■「飲食スペース」に関してはその時点でプランも決まっていませんでしたので、イメージは人それぞれで方向性も定まっていない状況でした。

■イートインのようなスペースを設けたいという考えは初めからあったのですが、「カフェ」にするにはハードルが高いのではないか、ということで迷いがありました。

■実際にそんなに大きなスペースを今のお店のどこかに確保することは難しいと思われましたのでイートインでもやむを得ないのかもしれないと諦めかかっていたのですが、

■小さなスペースでもいいんじゃない?という意見もあり何とかイートインではなく小さくてもいいから「カフェ」にするんだ、という気持ちになってきました。

■やるからには絶対「カフェ」と呼べるようなものにしないと意味がないと考えました。

■それはコミュニティのことを考えていたからです。

■地域の人々がひとつの場所、ここではパドゥドゥに集まって来て何かをしながら時間を楽しむ、会話を楽しむ、こんなコミュニティー空間ができたらいいなぁ、パドゥドゥのコンセプトの実現にはぜひ必要と思われました。

■3階をサロンにしてワークショップを開きたいというのは計画としてありましたので、そのスペースをカフェ風にして、「カフェ」とワークショップを同じ3階のスペースで時間をずらしたりしてできないものか、とも考えました。

■しかし地域のコミュニティー空間を目指すのであれば3階は遠すぎるように感じました。やはり1階で勝負すべきだと思いました。

■この時点でもプランニングの進めるにはまだ早いと思っていましたので、そんないろんなアイデアはもうしばらく頭の中で遊ばせておくことにしました。

■・・・



■■再び、お店巡りに出発■■2009年

■家具屋さん、雑貨屋さん、骨とう品屋さん、花屋さん、 そしてカフェ、レストラン、こんなところを中心にお店をピックアップしてみました。

■そのなかでも家具屋さんは、非常に空間に影響を与えますからなかなか良い選択だったと思います。

■まず最初に雑誌等の情報を頼りに、家具屋さんが多く集まっている目黒通りの辺りを中心に歩いて見て回りました。

■ちょうどピックアップした種類のお店もところどころにありましたので好都合でした。

■10件以上の店舗が両側に適当な間隔で並んでいて、一日で見て回れましたので忙しかったですが店舗向けの家具をあつかっているお店が多くあって参考になりました。

■木製の家具それも無垢材を使った家具に限定して探すつもりで、それ以外の素材は取りあえずはないかなということで家具めぐりの準備をしてやって来ました。

■気に入った家具があればその場で注文するくらいの勢いで見て回ったのですが、さすがにそれは次回にすることにしました。

■・・・



■■コンセプトが近づいてきました■■2009年

■「自然素材」とか「手づくり感」とか「安心安全」という言葉はパドゥドゥが今まで積み上げてきたものですから、最初から大切な言葉として理解されていました。

■もちろん、「大地の恵み」という言葉はパドゥドゥにとってはとても大切な言葉になっていましたので、この土台は変わることはありません。

■全く新しいことをしようとしているわけではなく、今までの経験を生かしてさらに上に積み上げていくことを目指していました。

■言葉が生まれては消えていく、際限のない作業を繰り返していると時々キーワードのように消えない言葉が残っていくようになります。

~small is beautiful~ こんな言葉が心にとまりました。

■「小さいものは美しい」ということになるのでしょうか。ここまでとことん話し合ってきて何か「ふに落ちる」言葉でした。

■「絵本」、「童話」、「物語」、こんな言葉に出合うとイメージは大きくふくらんで、子供の頃の自分たちがイメージに現れてきます。

■そして「子供の頃の忘れ物を探しにいきませんか?」とみんなを誘って絵本の中に自分たちが入って行ってしまいそうです。

■そんな時は、絵本の世界が自分の世界のように感じられて、自由に絵本の世界に入り込んでその世界を楽しむことができてしまいます。

■子供のころは誰でもみんなそうだったように。~small is beautiful~

■「絵本」、「童話」、「物語」の中ではお菓子屋さんはいつでも大人気です。

■なぜかいつも「森の中」にあって丸太づくりのような小さなお家で小さな窓から明りが外にもれていて、それにつられておそるおそる近づいて行ってしまうような、そんな場面、

■森の中のお菓子屋さんのイメージが頭の中に浮かんできました。

■というよりも、すでに森の中にいて遠くに見える小さなお菓子屋さんに一歩一歩近づいて行っている、そんな舞台の場面の中に入り込んでしまっています。

■森の中を近づいていくとやっと小さなお菓子屋さんの入口に着きました。

■みんなは木でできている重そうな入口の扉をそっと開けてみました。すると・・・というふうに物語は続きます。

■ここまでイメージが出来てきますと、この後はどのように言葉に置き換えるかという作業を繰り返すことになります。

■・・・



■■コンセプトとは決意■■2009年

■「森のなかに小さなお菓子屋さんが見えました」・・・こんな感じになりました。

■できるかできないかは後で考える、こんなこと実際にできるのかしら、とかは一切考えないでコンセプトはつくらないといけません。取りあえずはそう決めました。

■このコンセプトを実現するためには、お店の内部だけの改装だけで何とかしようとしても不可能なことは明らかでした。

■外部空間に「森」を作らない限りこのコンセプトは実現できないと、当たり前のことなのですがことの重大さに気が付きました。

■現実の世界では、お店の周りは鉄骨造のビルかコンクリートのマンションばかり、その他の空き地はほとんどアスファルトで固められた駐車場という場所です。

■唯一お店の背中側に桜とケヤキの樹が大きく育った公園がありましたが、残念ながら少し離れた場所で借景とかにも取り入れることは不可能でした。

■そのような周りの環境の中で「森のなかに・・・」というコンセプトはさすがに無謀かな、とちょっと弱気になってしまいそうでした。

■改装前のお店は、「緑」としてあるのは外階段の脇にケヤキの樹が一本、コンクリートのテラスに穴をあけてすっくと立ち上がっているだけ、それが唯一の「みどり」でした。

■ただそのコンセプトがイメージ通り実現してしたら・・・不安ながらやってみる価値はあるかな、とチャレンジする方向で進むことになります。

■・・・



最初の「コンセプトシートその1」がまとまった時はすでに年が明けて旧正月の頃になってしまいました。

■■■パドゥドゥの改装に向けてのコンセプト■■■2010年2月

[小さな発見、小さな幸せ]
お菓子や料理、雑貨を通して、素材や手仕事へのこだわり素晴しさを伝える。
カフェ、雑貨、ワークショップを通じて、洋菓子専門店には作りにくい地域コミュニケーションの場としての顔をもつ。
これらを通し、日常の中の小さな発見と小さな幸せを感じてもらう場所とする。

~お菓子について~

[素材へのこだわり]
素材は、国産、オーガニックとし、直接取引を基本とする。野菜、果物などは、地元からの直接調達をできるだけ心がける。

◎砂糖・・・きび砂糖、てんさい糖、和三盆、(三温糖)
◎バター・・・よつ葉バター(無塩、有塩)
◎卵・・・平飼有精卵
◎牛乳・・・自然放牧乳
◎生クリーム・・・よつ葉純生クリーム
◎ドライフルーツ・・・オーガニックドライフルーツ、ナッツ
◎果物(いちごなど)・・・生産農家さん
◎チョコレート・・・オーガニックチョコレート
◎ごま・・・国産ごま
◎はちみつ ・・・生産者さん
◎小麦粉 ・・・国産

[お菓子のアイテム]
国産素材を中心にした手づくり感あふれるものとする。軽い口当たりやしっとり感、色鮮やかさを優先させず、あくまで素材の味、特徴を生かしたお菓子とする。

「生菓子」
定番商品に加え、季節の自然素材を使ったシンプルな構成とする。

□定番の生菓子
◎ロールケーキ
◎シュークリーム
◎プリン
◎チーズケーキ
◎チョコレートケーキ
◎モンブラン

□季節の生菓子
◎ショートケーキ
◎ロールケーキ
◎野菜ケーキ(タルト、シフォンケーキなど)

□季節のジャム
◎・・・
野菜や果物はできるだけ地元のもの、無農薬、有機栽培のものを使う。
いちごは国産のものにこだわり、輸入品はつかわない。
季節のお菓子は旬の果物や野菜を使ったものとする。
バニラビーンズなど、天然のものを使いエッセンスなどの化学香料は使わない。
生クリームはフレッシュのみとし、コンパウインドは使わない。

「焼き菓子」
国産小麦や粗製糖、北海道バター、平飼卵を主原料とし、自然の素材を加えた素朴な味わいのものとする。ベーキングパウダーはアルミニウム不使用のものを使う。

□定番の焼き菓子

◎クッキー・・・おから、かぼちゃ、にんじん、ココア、くるみ
◎型抜きクッキー・・・全粒粉の動物クッキー
◎はちみつマドレーヌ
◎オーガニックフルーツケーキ
◎ブラウニー

□季節の焼き菓子
◎スコーン
◎マフィン
◎タルト

~パッケージについて~
シンプルかつナチュラルなパッケージとする。
脱酸素剤、マシーンによるパッケージは行わない。

「素材」
生成りの紙、ワックスペーパー、和紙、ラフィア、紙ひも、巻紙

~お店の外観、インテリア、ディスプレイ~
フランスの田舎、プロヴァンスをイメージできるようなつくり。

[入口、庭]
「小さな森」をイメージできるような庭。

「店内」
自然光、自然素材を使ったつくり。
ゆったりとした居心地の良い空間つくり。

以上です。この後にそれぞれの項目ごとにマッチングしたイメージ画像が続くのですがそれはここでは省略します。
いろいろな資料から集めてきたであろう手づくり感あふれる切り抜きの画像たちは、そのもの自体が今回のコンセプトを表現していました。

■・・・



■■リフォームからリノベーションへ■■2010年

■改装前のパドゥドゥは歩道から直接入る入口と少し奥に入ったところの入口と2か所の入口が直角に向き合いどちらからも自由に出入りができるプランになっていました。

■どちらの入口も2枚の強化ガラス製で引分けタイプの自動ドアで入りやすさをテーマにデザインされていました。

■その他の部分も全て床からの透明のガラスでお店を囲い込んでしまい、柱が1本あるだけで壁は一切なく、外と中が一体となって見えるようにデザインされていました。

■このファサードの部分のデザインは新築の時のままで変わりありませんでした。

■従って、お店のガラス製のケーキのショーケースも棚を利用したお菓子のディスプレーも外からは丸見え状態のファサードになっていました。

■その販売のスペースと奥の製造のスペースも透明のガラスで仕切られていましたので、中で製造している様子も丸見え状態にしていました。

■改装前のパドゥドゥの空間コンセプトをそう決めて、それに合わせて設計され施工されディスプレーされた結果ですので、それはそれでコンセプトに忠実な空間だったと思いますし、それはそれでお店としても成功していました。

■ケーキ、お菓子、雑貨等の販売のみで、イートインとかカフェのような店内での飲食はありませんでした。販売メインのプランでしたのでカフェ的なスペースは無理だったと思います。

■コンセプトが決まってイメージもだいぶんはっきりしてきましたので、次はこれを実際のプランニングに映しかえていく作業に移ってきます。

■もちろんコンセプトを考える作業と並行してプランニングについては頭のなかで作業はされて来ました。

■そっれがやっと紙の上に現れる 時がやってきた、ということです。

■改装(リフォーム)は新築と違って、今ある状態をいかに残すか残さないか、を考えないといけません。

■今回の場合のように内部だけでなく外部空間の改装が非常に重要なケースはそれほど多くないと思います。

■これはもう、改装(リフォーム)と呼ぶようなものではなく、改修(リノベーション)と呼ぶべきプロジェクトになっていました。

■・・・



■■プランニング。。。カフェの位置を決める■■2010年

■今回の改装でも、ケーキ、お菓子の製造、販売がメインであることは洋菓子店としての肝心かなめですから変わりません。

■加えて「カフェ」を大切なスペースとして考えていく事が決まりましたので、いかに落ち着きのある癒される空間を確保するのか、といったところがプランニングのポイントでした。

■3階にカフェを持っていくアイデアはこの時点ではなくなっていました。小さくてもいいからどうしても1階に「カフェ」を作りたい、この決定はゆるぎないものでした。

■1階のどの場所に「カフェ」の位置を決めるのか、最大の難問に直面しました。

■普通に道路側の入口に近いところを「カフェ」にします。するとケーキやお菓子をお買い求めに来られたお客様はカフェを通って、あるいはカフェの脇の通路を通ってショーケースの前まで行かなければならず、

■カフェのお客様、ケーキ、お菓子のお客様どちらにとっても落ち着かない空間になってしまいます。コンセプトに従えばこれは避けなければなりません。

■入口入ってすぐにケーキ、お菓子の販売コーナーにして、奥のスペースをカフェのコーナーにするプランも検討しました。

■これはカフェスペースが奥過ぎて自然光の明るさを確保出来ないので、これもコンセプトに反することになってしまいます。

■コンセプトシートにあった「店内」についてはたった二言だけでした。

→「自然光、自然素材を使ったつくり」
→「ゆったりとした居心地の良い空間つくり」

■これは絶対に守らなければならない「約束」でした。

■今まで通りのお客様の入り方では、どうレイアウトしてもうまくいかないということに気が付かなければいけないようでした。

■位置的に道路側の明るい場所をカフェにすることはどう考えても動かしがたい様に思えました。

■そうするともう答は一つしかありません。道路側の入口から人が入れないように自動ドアを閉じてしまうこと。ただし自然光はやさしく中に差し込んでくるようにする。

■コンセプトを守ろうとすると答えが一つに絞り込まれるということで、コンセプトがいかに大切かということがここでわかります。

■人が行ったり来たりする通路のような場所ではなく、部屋の一番奥にゆったりとした居心地の良い空間をつくること。

■そのためには外部にできるだけ長くアプローチをつくって、お客様の入口を一番奥、道路から一番遠くにしなければなりません。

■このアイデアでしかこの計画を成立させる方法はないと確信しました。

■幸いにも新築の時の計画で3階まで上がっていく外階段を中庭的な外部空間として建物を建築していました。

■今回そのアイデアが利用できそうだと気づきました。

■狭い幅しか残っていませんでしたが、この狭いぎりぎりの幅が残っていたことが今回の奇跡でした。アプローチを作るための最低限のスペースが残っていたということです。

■それでも本当に幅の狭い通路になってしまいますので、お客様から狭いわねぇ、とか言われないか不安でした。

■・・・



■■イメージがまとまってきました■■2009年

■イメージした絵本の中の光景が今、目の前にはっきりと浮かび上がってきました。こんな感じでした。

□・・・ちいさな門から一歩中に踏み込むとそこには森の小路のような細く長いアプローチが続いていました。そしてそのアプローチの突き当りには重そうで頑丈そうな木の扉があるのが見えました。

□その扉を開けて中に入ると色とりどりのお菓子たちがお部屋いっぱいのテーブルや棚の上にすき間なく山にようにして飾られていました。

□その横にはガラスでできたケーキのショーケースがあって中には宝石のようないろんな種類のケーキたちがキチッと列をつくって並んでいました。

□右に曲がってさらに奥へ進んでいくと今度はいろいろな雑貨たちのお出迎えがあり先には自然光が差し込み厚ぼったい白っぽい塗り壁をやさしく照らしていました。

□その部屋ではおいしそうな香りの食べ物と飲み物と楽しい語らいの声とが落ち着いたBGMの音楽とともに聞こえました。

□やさしい手触りの木の椅子に座ってガラス越しにさっき通ってきたアプローチを見返すとそこには小さな花や緑が生い茂りまるで「小さな森」のように私たちの目を楽しませてくれました。・・・

■イメージの世界で見つけた「森の中のお菓子屋さん」が現実の世界にやって来てくれました。そして「森の中に・・・」というコンセプトが「小さな森へようこそ」となりました。

■・・・



■■イメージを現実の世界に近づける。。。古材との出会い■■2009年~2010年

■基本的なプランニングもある程度まとまってきましたので、並行して業者さん選びにも時間を使わないといけなくなりました。

■さらに材料をどの様に選択していくかそろそろ決めてまとめていかなければなりませんでした。業者さんに見積りを依頼するためには材料を決める必要があります。

■材料としては自然素材を使うことは当然のように決まっていました。

■お菓子作りのコンセプトと建築のコンセプトに矛盾があっては許されないと、いろいろなお店を時間をかけて見て回りコンセプトを時間をかけて考えてきました。

■その結果「森の中のお菓子屋さん」というイメージと「小さな森へようこそ」というコンセプトがまとまってきました。

■自然素材を使うとしても新しい材料でその雰囲気を出すことは難しいのではないかと気付きました。

■そしていろいろなお店を見て回っていくうちに材料としての「古材」というものを手掛かりにイメージがまとまってきていました。

■特に家具や証明などの調度品はアンティークな雰囲気が欠かせないと思いました。

■イメージ的にはフランスの田舎プロバンス風にしたいと考えていましたので、そのためには古材と塗り壁がポイントでした。

■特に古材はどうしても必要で、それでイメージに合った古材を調達するためにはどうしたらよいかといろいろ雑誌やネットで調べてみました。

■いくつかの候補が見つかりましたが、まず一つは古材をカナダから輸入している業者さんで、主にアパレル系のショップのインテリアを得意として輸入販売していました。

■本社に伺って社長さんにお話をお聞きすることができました。ショールームもあり他に倉庫も見学させて頂きました。

■イメージ的には洋風なインテリアに合いそうな感じでしたのでプロバンス風のイメージにもマッチしそうな期待感はありました。

■床材と壁材がメインで板材として使用する材料がほとんどでした。柱とか梁とかの構造的な部材はあまり種類がなくその点は残念でしたが雰囲気はよくつかめました。

■こちらでは実際の施工はしないで材料の搬入までが業務範囲となっていました。プランも大体決まっていましたので、そのプランに合わせて材料を選び見積もりを出して頂けるようお願いできました。

■見積もりができ上がってくる間、都内で実際にその材料を使って施工したお店がいくつかあるということでしたので見学に回りました。

■アパレル以外にもカフェの物件のあって雰囲気的にはよくできていたと思いますが何となくアメリカンかなぁ、という印象もありました。

■今回はお菓子屋さんですから洋風な空間をめざしていますので輸入材を使った方がイメージが出しやすいかと思われ、そちらの方向で検討を重ねました。

■建築材料の輸入古材は自然素材ではあるのですがオーガニックかどうかは不明です。

■新品の輸入木材でも相当量の防腐剤が噴霧されているという事なので意外と輸入でも古材の方が安全かもと思ったりしました。

■・・・



■■そして日本の古民家の古材にたどり着く■■2009年~2010年

■結局、最後の最後で輸入材は断念、国産日本の古民家でオーガニックな古材を探すことになりました。

■ネットで調べていたらもう1社、古材専門店を見つけました。

■こちらは外国からの輸入ではなく日本のあちこちから持ち込まれた古民家の解体された構造材が主たる在庫として広大な倉庫に保管されていました。

■こちらも古材の材料の販売が専門で施工は「今は」できない、と言われました。以前は施工の取りまとめをできる人がいたらしいのですが、「今は」北欧の方に行ってしまってあちらで働いているのでできませんということでした。

■こちらで古材を仕入れることに決まったら施工する大工さんに直接来てもらって打ち合わせをする必要があるかな、と思いながら倉庫を案内してもらいました。

■このように古材屋さんは大きく二つに分けられそうです。日本の古民家を解体して柱梁などを再利用する古材屋さと外国の古民家を解体して輸入する古材屋さんです。

■日本の古民家の古材は居酒屋さんとかお蕎麦屋さんなどで多く使われていましたからイメージは分かりやすかったですが、どうしても和風になってしまいそうでそこが心配でした。

■今回目指しているプロヴァンス地方の写真を集めて比較しました。

■日本の古民家の古材で大丈夫だと、確信が持てました。

■日本の構造は柱と梁の構成ですが、プロヴァンス地方では石の壁に梁が乗っている構成なのです。

■従って、それを真似れば居酒屋風にはならない、と確信が持てたわけです。幸い建物全体はRC造ですので構造的には問題ありません。

■・・・



■■施工業者さんを探して■■2010年1月

■施工業者さんは4社ほど候補を選んで打ち合わせを重ねました。

■まずは改装前のお店の改装をしてもらった工務店さん。一度施工してもらっているのでお店の事情がよく分かっているところです。

■次に地元の工務店さんにお願いできれば何かと便利かと思い近くで主に木造住宅の施工をしている業者さんに声をかけました。

■ただしその工務店さんは古材の仕入れはやったことがないという話でしたので古材に関してはこちらで調達しますから施工をお願いしたいということになりました。

■以前から知り合いの木造住宅専門の工務店さん。こちらは古材のあつかいもしていて自然素材が得意という工務店さんでしたので、コンセプト的には最も適任かと考えていました。

■が残念ながら、こちらは店舗の仕事はほとんどやったことがないので、ということで断られてしまいました。

■もう1社。こちらは建設会社で木造住宅の得意な工務店を下請けで使うというスタイルでした。計4社になりました。

■どの業者さんも古材に関しては少し不安な感じがしていました。やはり慣れていないという事が最もなネックだったと思います。

■もう少し別な工務店を探した方がいいのではないか、と思いました。

■ある日いつものようにネットで検索していた時に広告欄に「古材」の文字が一瞬、目に止まりました。

■クリックしたところ長野の工務店さんなのですが、「古材」のショールームが恵比寿にあるということでした。

■さっそく電話してみました。

■ショールームにおじゃまして会社の説明をしていただき、こちらも概略コンセプト等をお話ししました。

■プランがまとまった段階で再度打ち合わせをして見積もりを出して頂く約束をしてその日は帰りました。

■・・・



■■見積りを依頼■■2010年2月

■候補に5社を選びましたが、1社断られ、結局4社に見積りを依頼しました。

■どの位の金額で見積りが上がって来るか、気が気ではありませんでした。



■■施工業者さん決定■■2010年2月

■見積書が出そろいました。





■取りあえず長野に古材を見に行くことにしました。

■大宮から長野まで新幹線でほぼ1時間。あっという間でした。駅まで工務店さんにお迎えして頂きさっそく古材倉庫に連れて行って頂きました。

■・・・



■■イメージを現実の世界に近づける・・・施工■■2010年



■オープンが2010年5月1日と決まりました。

■・・・



■■施工業者さんが決定■■2010年

■長野の古材との格闘

⇒詳細は別紙でご報告します。

■・・・



■■いよいよ工事に着手しました■■2010年3月

■施工期間は1か月。3月中頃からお店はクローズしていよいよ工事がスタートしました。

⇒詳細は別紙でご報告します。施工写真の整理をしています。

■・・・



■■「パティスリー&カフェ パドゥドゥ」リニューアルオープン■■2010年5月1日

■アプローチからお菓子屋さんの入口が見えています。

アプローチ
▲アプローチは道路からの距離をできるだけ長くとるためにエントランスは一番奥にしました。

■・・・

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■ 更新: 2018年10月26日 (金) 14:03 project

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