自然意匠=NatureSense.jp

森の再生

里山の再生

暮らしの再生





現在進行中のプロジェクト

[4] 「軽井沢~なつかしい暮らし~プロジェクト」


■■カラマツのヤニの問題について■■

。。。山から樹を切出す業者さんへのメール。

□カラマツは建築材料としては、ねじれ、割れ、ヤニ等の問題を抱えていて、そのためスギやヒノキほど一般的に流通して来なかった、という認識は当初より持っておりました。

□しかしそれらの欠点は50年位までの若い樹齢の樹の話で、樹齢80年以上の樹に関しては、それらの欠点は解消され、さらにその位の樹齢の樹も多く育って来ているので、建築材料としても十分活用できる環境になって来た、という理解のもと今回の計画は始まっています。

□この理解は私たちの思い違いであり、材のねじれ、割れなどに関してはその通りではあるが、ヤニについてはそうではなかった、という結論でした。

□ヤニを事前に除去してしまう乾燥方法も確立されていて、問題なくカラマツの場合は脱脂乾燥され市場に流通しているというお話を材木屋さんからお聞きしました。

□今回のプロジェクトでは材料はあくまで天然乾燥にこだわっていますので、脱脂を機械でやって乾燥を天然で、というやり方については矛盾があるように感じられます。

□人工乾燥の欠点は、材に対して表面的には割れが見えにくいが、内部に割れを起こしているケースが多くある点にあります。

□プレカットと金物で接合する現在の在来工法の家の建て方では、内部割れは大きな問題では無い、それよりも表面に割れが無くきれいな方がお客様が喜ぶ、という理屈で人工乾燥、プレカット、金物工法、普及させているのが、住宅業界の常識となっていて、未来に対して瑕疵を造り続けているように感じます。

□伝統構法で家を造る場合は天然乾燥でなければなりません。

□理由は人工乾燥の逆で、天然乾燥では材に対して、表面的には割れが入るけれども内部割れは起きないからです。そのおかげでホゾや仕口などの技術が保障される訳です。

□伝統構法と人工乾燥の組合せは明らかに矛盾します。表面的な割れは構造的な強度の低下は無いという事が実験結果で証明されています。

□ただ見た目に不安感があることから、一般の在来工法は表面的にきれいな人工乾燥材を採用しているのだと推測できます。もちろん工期の短縮という目的が先にあった事は間違いありませんが。

□最終結論には至っていませんが、上記の点から今後の方針としては脱脂も含めて人工乾燥は採用しない。カラマツについては脱脂はせず天然乾燥にこだわって使用する。

□いづれはヤニが出る前提で材の使用箇所を決めていく。ヤニが出ても支障のない場所、例えば外部の柱、梁。小屋裏に隠れてしまう梁、垂木、野地、床下に隠れてしまう床根太、大引き、束など。

□ヤニが出ることによってカラマツの良い性質が生かされる場所に適材適所で採用する。

□脱脂をすることによってカラマツ本来の良さを殺してしまっているのではないか?、という根拠のない疑問が湧いてきています。

□伝統構法の主役となる見えかかりの重要な場所については、スギ、ヒノキ、サワラ、広葉樹などの樹種も含めて検討していきたいと考えています。

□県産材に限定して選定をしていきたいとは思いますが、当初の目的であった千曲川源流域のカラマツをキャッチフレーズに伝統構法の家を売り出していきたいという目論見は一部修正が必要になってきています。



。。。返信メール。

本日長野県林業総合センター(長野県の林業・木材について研究している公的機関)
の木材部吉田氏と打ち合わせをし、ご質問の内容について調べてみました。
分かったことを列記させていただきます。

○脂は高齢級であろうがなかろうが出るため、通常は蒸気乾燥で強制的に出してしまう。
○室温が30度を超えると脂が出やすい。(特に夏場)
○脂が出たらアルコールで拭けばとれ、無限のものではないため数年で出にくくなる。
○脂は年輪の周りにあり脂ツボが表に出ていても出ていなくても表面にポツポツ出てくる。
○桂離宮なども最初は出ていたと考えられ、年月が経ったため出ないものと思われる。

■・・・






 



□ 株式会社自然意匠=NatureSense.jp
□ 〒337-0051 埼玉県さいたま市見沼区東大宮4-12-7-5f
□ E-mail:contact_us@naturesense.jp

■ 更新: 2018年10月30日 (火) 15:55 project

Copyright©2014 NatureSense inc. Allrights reserved.