現在進行中のプロジェクト
[4] 「軽井沢~なつかしい暮らし~プロジェクト」→「暮らしの再生」を目指して
■■自然意匠の誕生■■
■2011年が終わり2012年の新年を無事迎えることができました。感謝の一言です。
■2012年正月明け、新会社の名前が決まりました。
■2012年2月1日、株式会社自然意匠、設立。
[自然意匠] 設立宣言
山があって森があって川が流れていて里山があって田んぼがありトンボが飛び交いカエルが合唱し子供たちが遊びながら家路を帰る、何十年か前には当たり前のように毎日見ていた風景を取り戻し未来の子供たちに手渡すために、私たちは会社を設立しました。
。。。故郷(ふるさと)の風景を見て美しいと思いなぜか涙がほほをつたう。自然の美しさと人の暮らしが織りなす絶妙な均衡。それらを実現するために全力で取り組むこと。そんな思いを込めて「自然意匠」と名付けました。。。
⇒会社概要=Company
■■新たな拠点とは■■2011年3月11日
■新たな拠点探しから、この物語は始まっています。
■拠点とは生活拠点であり仕事の拠点であり、それらが一体となってどこまでが生活でどこまでが仕事か分けることのできない「暮らし」がある場所と考えています。
■当たり前の家族の当たり前の暮らしを取り戻すにはどうすればよいのか?大きな課題ですが一歩一歩近づいていきたい、これがこのプロジェクトの目標です。
■■そして光の無い窒息しそうな森と向き合う■■2012年2月
■拠点となる、森が見つかりました。
■それは、光の無い窒息しそうな森、この森でどのように暮らしていけば良いのか?
■物語は次の段階に進みます。
■ここまで⇒[3] 「軽井沢~森に暮らす~プロジェクト」
■■間伐が終了■■2013年2月
■間伐が終了しました。明るい光が地面に届いています。特に冬で落葉樹も葉を落としていましたので敷地が見通せるようになりました。ただ広すぎるため森の全体像が把握できてはいませんでした。雰囲気がやっと感じられるくらいでした。
■■森に暮らす■■
■軽井沢で森を見つけてそこで暮らすことになりました。
■昔なつかしい里山の暮らしを夢見ていましたが、そこは条件がちょっと違うようです。
■どんな家にするか、と考える前に森との関係をどう捉えるか、森との距離感をどう理解するのか。少しずつ時間をかけて少しずつ理解を深めていきたいと思います。
■春、夏、秋、冬、季節の変化に合わせて森はどのように変化していくのでしょうか。毎年同じことが繰返されるわけでもなく、自然も年ごとにも成長し変化していきます。
■そのような変化を感じながら暮らしを考えて家をつくっていきたいと考えます。
■せっかく「森に暮らす」というチャンスを頂きましたので、時間をかけてシンプルに家を建てて暮らしていけたらと。
■家を建てるにしても「森に暮らす」ための思いをしっかりさせておく気持ちは大切です。
■・・・ [自然意匠] 設立宣言・・・を守ってこのプロジェクトを進めていくと決めました。
■
■・・・
■■軽井沢の伐採の問題■■
■軽井沢で別荘を建てる場合、樹木の伐採に対して2通りの考え方があるようです。
■ひとつは普通に出来るだけ元あった樹木を残しその間にうまく配置して建てるやり方。以前はこの考え方が当たり前だったと聞きます。
■別なやり方は最近になって増えてきたそうですが、敷地内のほとんどの樹木を伐採してしまってから建物を建てて、最後に新たに小さな樹を植えるやり方です。
■このやり方はやはり問題になっていて軽井沢では住民などから景観をこわすという理由で反対運動も起こっています。
■役場は植栽計画をチェックしてそれで確認の許可を出しているはずですが、実際には竣工後きちんと植栽されていないケースも多く見受けられます。
■業者だけの問題ではなく建て主の問題でもあると思いますが、今後良くなっていく事を祈りたいです。
■
■・・・
■■樹木と建物の関係を考える■■2013年5月
■建物を計画する前にまずは敷地全体をイメージする事から始めます。
■樹木はできるだけ伐採しないように計画したいと思っています。
■森と言っても地形の傾斜が緩やかなので雑木林のようにも見えます。
■敷地の周辺部は広葉樹の高い樹が多く密生していて少し暗い感じでした。
■敷地の中央部は丁度良い距離間で大きな広葉樹が育っています。
■太陽のひかりも差し込み明るい地面には中低木の広葉樹がポツポツあります。
■ねらって間伐したわけではないのですが、たまたまそういう結果になったようです。
■住居を建てる位置は必然的に敷地の中央部に決まります。樹々から程よい距離を保ちながら建物の配置をしていくことになります。
■そのため大きな建物は建てないように考えています。出来るだけ小さな建物を樹木とバランスをとって配置していくやり方です。
■平屋建てにすることも決めました。この森の敷地には二階建ては似合わないだろうと思っています。
■間伐によって太陽の光が地面にまで届くようになると、それまで地面の下で眠っていた種がやっと芽吹きだし、少しづつ新緑が現れてきています。
■敷地の中央部あたりはもともとアカマツが多い場所でしたので、腐葉土が少なく、そのためか思ったより地面が乾燥している印象でした。
■当初よりこの敷地には、小川を流し池をつくって水の溜めて、鳥や虫が集まってくるようなそんな環境にしたいと考えていました。
■井戸はそのために絶対欠かせない準備です。
■
■・・・
■■井戸掘削工事の準備にかかる■■2013年3月
■この頃から井戸の掘削工事の計画も進めていました。
■井戸には大切な役割がいくつかあります。まずは生活用水の確保です。
■水道を引いてくることも検討課題として残っていますが、まずはそれが無くても生活できるだけの水は確保しておきたいと考えていました。
■もし災害などで公共の電気が止まったとしても、この森では水の確保ができるよう仕組みを考えていきたいと思っています。
■井戸の大きな役割の二つ目は植物に対しての水やりです。
■水道が引かれていない土地ですので、植樹した後のしばらくの水やりは井戸に頼るしか方法がありません。
■敷地が広大ですので一般の敷地のようにホースで簡単に水やりができるとも思えませんでしたので一計を案じました。
■敷地の中を小川を流し、池を掘ってため池として水を確保しておきます。
■これは自然と同じ植物に対しての水やり方式です。
■しばらくは人が手を入れてサポートする必要はあるかと思いますが、いずれは自然の仕組みで植物が自然と育っていくように考えています。
■井戸の水を流さないでも、雨のため池と小川の流れで植物が潤って生活できるようになることが理想です。
■まずは井戸の掘削工事からスタートです。軽井沢役場に申請をして許可をもらいます。
■敷地の隣地の所有者全員にお知らせの通知をする必要があり、全部で24軒の所有者がいましたので結構大変な作業です。井戸の掘削業者さんにお願いしました。
■ほとんどの所有者から返信はなかったようですが、それでも役場は許可を出してくれました。
■軽井沢では所有者と連絡を取ることが大変難しいという事でした。
■特に家や別荘の建っていない空き地については、所有者の住所にお知らせのご案内を郵送しても、住所不明で帰ってきてしまうケースが圧倒的に多いそうです。
■許可がおりましたので工事の段取りに入ります。
■
■・・・
■■森のインフラについて考える■■2013年4月
■この森には公共のインフラは不似合いなように感じています。
■なぜなら、ここは森だからです。
■この場所を開発して宅地化しようなどとは全く考えていません。
■森の一部に家を建て、その周りの森を手入れしながら、昔の里山のように自然と一緒になって暮らしていきたい、そう考えてここにたどり着きました。
■水道は井戸で、排水は敷地内での浸透式浄化槽で、電気は自然の再生エネルギーで、ガスは森のマキで、通信は?全てのインフラから自立する事が最終的な目標です。
■都会での生活と田舎での暮らしは、本来は別々の考え方で仕組みを創る必要があると思います。
■田舎は都会に頼らず、自分たちで自立して暮らしていけるはずです。ちょっと前まではできていましたから。
■そのためにはまずインフラから自立することが必要と考え、取り組んでいきます。
■「春日の森プロジェクト」でも同じように、森との取り組みが進行しています。
⇒[5] 「蓼科~春日の森~プロジェクト」
⇒森のインフラについては重要なテーマですので、別紙でご報告します。
■■井戸掘削工事■■2013年4月
■井戸の掘削工事を行いました。
■敷地の北側、標高の一番高い場所に一か所と中間くらいの場所に一か所掘削します。許可申請時の位置と同じ場所でないといけません。
■径が15センチ長さ3メートルの鉄パイプを地中にガンガン打ち込んでいきます。
■既に50年以上は使っていそうな風格のある杭打機です。親父さんの代からの物だそうですが全く問題ないようです。
■高い方の井戸はおよそ8mの深さで水脈があり一気に泥まじりの地下水が噴き出してきました。映画などで見る石油が噴き出す時の感じに似ていますが、結構感動します。
■当たり前のように水脈に当たりましたが、場所によっては運悪くまったく当たらない場合もあるそうです。
■水量も多く毎分100リットルはありそうだという事で、業者さんも驚いていました。
■最終15m掘削しました。その後水位が上がって来て、最終水位は地面から約5m位に落ち着きました。これなら電動ポンプを使わず手汲みのポンプでも汲み上げられそうです。
■低い方の井戸はおよそ12mの深さで水脈、最終18mまで掘削しました。最終水位は地面から約8m。
■こちらは一般の手汲みでは難しそうですが、特殊な手汲みポンプの製品もあるそうで、それであれば電気が無くても手で汲み上げられるという事です。
■
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■■井戸水の水質検査■■2013年5月
■井戸の掘削が終わると水質検査をします。
■井戸水を容器に入れた検体を公的な機関に持ち込むと、そこで検査がされます。
■井戸水の水質検査の結果、含まれる鉄分が多いことが判明しました。このことは井戸を掘削する前から井戸業者さんから聞いていて予測はしていました。
■ただひょっとすると運よく鉄分の少ない可能性もあり期待していましたが残念です。
■鉄分の濃度が高いと様々な厄介な事があるという経験を業者さんは持っています。
■敷地の中で高低差の高い方の井戸(これから上の井戸という)は2.3mg/ℓ、低い方の井戸(これから下の井戸という)は、6.4mg/ℓという数値でした。
■数値だけではピンとこないのですが、この水が地表に流れ出し空気に触れると無色透明な井戸水が数時間で黄色に変色し、ドロドロの汚泥のような成分を作り出します。
■業者さんのこれまでの経験上、軽井沢のこのあたりではどこも大抵そのようです。
■水質については保健所の数値規定があり、それに引っかかると飲食店などは営業できないそうです。
■鉄分濃度はその基準では検査項目には入っておらず、従って保健所的には問題ない項目のようです。
■そもそも保健所の検査項目は、化学物質などの不純物とか大腸菌などの細菌類のチェックが主な目的です。
■自然物質の鉄分が検査項目に入っていなくても不思議ではありません。
■この井戸水の水質検査では、一点「濁度」が不合格でした。おそらく井戸を掘ってすぐに水の検体を採水してしまったためではないかと、井戸業者さんの見解でした。
■今後定期的に水質検査を行なっていけば、新たな結果が出るかもしれません。
■これらの汚泥は、ろ過装置を使えば除去することが可能との事ですので、引き続きろ過器業者さんを紹介してもらい検討する事にします。
■
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■■ろ過システムを検討する■■2013年5月~7月
■一般的なろ過の方法は、汲み上げた井戸水に塩素を機械的に投入して水中の鉄分を強制的に固めてしまう方法だそうです。
■近くのホテルでもそのやり方でろ過しているそうです。
■塩素は水道水にも投入が義務付けられていて一般的には当たり前と考えられていると思います。
■ただヨーロッパなど日本以外の国では、塩素の投入は最低限に抑えられ、ある意味危険な薬品的な理解のされ方をしています。
■日本だけは何故か塩素濃度が高く設定され各家庭に水道水として供給されています。人的被害が大きく報じられることはありませんが、心配されていることも確かです。
■そのため、塩素を入れて鉄分を除去する方法はちょっといやだなぁ、と思っていたところ、塩素を使わないでろ過する方法がありますよと井戸業者さんに言われました。
■もっと早く言ってよぉー、といった感じですが。
■塩素を使わないろ過装置を作っているメーカーさんを紹介してもらいました。
■軽井沢のお花農家さんとかクリーニング屋さんで採用されて使っているという事でしたので、さっそく見学に行くことにします。
■お花農家さんは大地震の影響でハウスが壊れしまって開店休業状態です。、装置は見ることはできましたが、その装置は地震とは関係なく動いていませんでした。
■納品したメーカーさんも知らないようで、全く参考にはなりません。メンテナンス契約とかもしていないようです。ちょっと不安になりました。
■それでも紹介されたろ過器メーカーさんから説明を受け、いろいろ情報を集めて勉強もしました。
■この方法が適していると思われるのは自然の仕組みをうまく利用していることです。
■鉄バクテリアというバクテリアを利用して自然にろ過するシステムだということです。
■水中のバクテリア(微生物)が水中の鉄分を食べて、鉄バクテリアと呼ばれる新たなバクテリアが発生する。
■すると水中の鉄分は無くなりますが新たにできた鉄バクテリアが酸素と反応して、あのようなドロドロした汚泥に変化する、との事です。
■あるいは、鉄と酸素が結合して酸化鉄ができ、それをバクテリアが食べて汚泥が発生する、という順番かもしれません。しっかり調べて訂正します。
■あの汚泥は鉄バクテリアの死骸だそうです。
■時間が過ぎれば、死骸は自然の力で分解されますので、バクテリアは自然に戻り鉄も土に帰るのではないかと、想像できます。
■直接目にすることのできない反応ですので、ちょっとイメージが湧かないのですがそのような仕組みのようです。
■検討の結果、鉄バクテリアを利用するこのろ過システムが良さそうだという結論にたどり着きました。
■一般的な水道では急速濾過=日本式公共水道システムが採用されているようです。これは塩素を使うシステムです。将来は民営化されようとしています。
■大きなコストがかかりますので、その問題が大きいと思います。
■日本以外の国々は緩速濾過システムが主流であり、日本が戦後真似をしたアメリカでさえも最近は急速濾過システムは敬遠されているようです。
■日本でも一部の行政では緩速濾過システムが採用されていて上田市などでは今でも安心水道として活躍しています。
■今回採用しようとしている鉄バクテリア利用のシステムは緩速ろ過とまではいかないようでろ過装置のメーカーさんは中速ろ過と言っていました。
■塩素を一切使用しないできれいな水質の水が確保できるのであれば、ぜひ採用してみたいシステムです。
■敷地内の小川とため池の水源をメインで考えていますが、生活用水としてそして飲み水としての利用も視野に入れています。
■とは言ってもいきなりろ過システムを設置するようなことはせず、しばらくはそのままで井戸の様子を観察する事にしました。
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■■敷地全体の測量を依頼する■■2013年4月
■全体の概略を知るためには、敷地の中をクマみたいにグルグル歩いてばかりでも良く分かりませんので、敷地の測量を測量会社に依頼しました。
■軽井沢では国調と言われる国の調査がすでに終わっていて、そのデータで登記も完了しているとのことです。
■測量業者に言わせると大きな誤差はないそうで、確認申請などもそのデータで問題なく提出できるようです。
■今回の土地の売買もその登記の数字で行いましたので、取りあえず外周周りの境界ポイントの測量は行わず、国調のデータで済ます事にします。
■外周の敷地形状以外には、海抜も含めて全体的な高低差および主な樹木の位置と樹種等を調査することにします。
■高低差については50センチごとの等高線が分かるようにする事が大きな目的です。
■地形図でも等高線が入っていれば大体の地形がイメージできます。雨が降った場合の雨水の流れ具合とかもわかりますし、植生の傾向もわかります。
■といっても、雨水が流れそうな低い場所には湿地に強い植物、水はけの良さそうな高い場所には乾燥に適した植物、といった程度ですが。
■道をどう通すのか、小川をどう流すのか、ため池をどこに掘るのか、等高線を見てすべて考える事ができます。
■この敷地をどう読み取るか。まずは等高線が第一。次が樹木の位置です。
■樹木については全ては無理ですので大きめの樹のみ、位置と樹種と太さを測量するようお願いしました。胴回りで10センチ以上の樹としました。
■
■・・・
■■測量図を読む■■2013年5月
■調査の結果詳細な測量図が手元に届きました。
■測量結果が図面化されて目の前に現れてみると、敷地のイメージが一気に浮かんできます。
■等高線が50cmごとにカーブを描き、樹木の位置が正確にさらに太さと樹種まで記入されていました。樹種についてはあまりあてにしないで、と言われました。
■方位からすると全体的に南西方向に傾斜していてもっと大きな地図と照らし合わせてみると千曲川の流れに向かってずうっと下っているのが読み取れます。
■樹木は落葉広葉樹(コナラ、ミズナラ、クヌギ、クリ、ヤマサクラ等)主にドングリができる樹木が中心です。
■測量でお願いした幹廻り10センチ以上の樹木が500本以上育っていて、他に細くても背丈を超える樹木を加えればゆうに千本以上はありそうです。
■これで樹木の位置がわかりました。逆にいうと樹木の少ない場所がわかってきましたので、これで図面上で建物の配置を考えることができます。
■井戸の位置もこの測量図には描きこまれていました。井戸のフタのレベルが海抜で記入されています。
■上の井戸は標高957m97、下の井戸は標高954m29、敷地の最も低い場所での標高は944m40でした。
■海抜の基準は東京湾の水面で、その時刻なども正確に決まっているのだと思いますが、今は忘れましたので確認してみます。
■敷地全体の高低差は15メートルほど、傾斜角度に計算しますと約8度となります。駐車場の最大角度と同じくらいですので、基本的にはどこでも車が走れるくらいの傾斜です。
■これらのデータによって、最も大切な事がわかります。
■水の流れです。特に雨水の流れがわかります。
■全体が平坦な土地では雨水は流れませんので、浸透させるか、ため池を掘るか、ピットを造るか、となりますが、幸い敷地に傾斜がありますので、ここでは自然と雨水が流れていきます。
■水は高い所から低い所へ流れていきますので、等高線の曲がり具合を見れば敷地の傾斜がわかりますので、水の流れも読めることになります。
■井戸の位置は決まっていますので、小川をどう流して、ため池をどう掘って、それらをどうつないで連続して水を流すよう計画します。
■建物の位置はそれら水の流れが迂回するような、他より高めの場所にすることが肝心ですので、この位置も必然的に決まってきそうです。
■
■・・・
■■初めての植樹を計画する■■2013年5月
■測量図に樹木の位置を落とし込んでもらいましたので、植樹計画はその現状からスタートします。
■初めにザックリしたイメージで、全体的な植樹計画をたてる事にします。
■基本的に敷地中央部は、建物を建てる場所、池を掘る場所、小川を流す場所、庭園をつくる場所などを配置する必要があります。
■池とか小川とかの具体的な場所についてはこれから検討していきますが、最初の段階でのこの中央ゾーンへの植樹は避けることにしておきます。
■敷地の周辺部については、将来的にも建物を建てる可能性はないと考えています。
■隣地境界から3m以上建物の軒先を離しなさい、という軽井沢の条例も今回の敷地ではほとんど関係はありません。
■その敷地周辺ゾーンはもともと広葉樹が多く、しっとりした腐葉土が厚く積もっている場所でした。
■植物が育つためにも好都合ですので、特別な植樹帯として手入れして残したいと思います。
■できるだけ大きな幅で植樹帯を設けることができれば、すでにある広葉樹の大木なども含めて、とても好都合な自然環境が確保できると思います。
■この植樹帯によって隣家とほどよい距離をおくことができますので、人間の出入りを極力制限して、鳥や虫、小動物にとっても好都合な環境に戻したいと考えています。
■少し前までは敷地の外周も家はほとんど建っていない自然の森でした。
■最近になって急に周りに別荘が増えてきていることは、それまであった自然が確実に減っているという事になります。
■全く手を付けずに森をそのままにするという事はこのエリアでは不可能ですので、今まで生きてきた生命とどう折り合いを付けて守っていけるか、考えたいと思います。
■敷地の中央部は取りあえず手を付けずに、まずは周辺部から植樹をスタートさせていきます。
■中央ゾーンと周辺ゾーンの間にさらに中間ゾーンが敷地を一周回って通路部分を形成することになります。
■敷地境界から環状に、周辺ゾーン(植樹帯)、中間ゾーン(周回通路)、中央ゾーン(建物+池+小川+庭)となります。
■全体の面積比率で考えると、7割→2割→1割、くらいかと思います。
■敷地をこのようなゾーンで分類して、それぞれに合わせた植樹計画を立て、一度に出来る範囲を超えていますので、何年かに分けて進めていきたいと思います。
■
■・・・
■■植樹の開始■■2013年5月~7月
■いよいよ一年目最初の植樹を開始します。
■まずは落葉広葉樹と常緑広葉樹を合わせて500本ほど新たに植樹します。
■全ての樹種と位置を図面化して記録しながら、計画通り敷地の外周に植樹していきます。
■陽のあまり当たらない場所には日陰に強い樹種を選び、陽が必要な樹種には明るく陽が当たる場所を選びます。
■地元の造園業者の意見では絶対無理だから、と言われるような樹種も本当にそうなのかどうか試しに植えてみます。
■軽井沢の冬の寒さは相当厳しいとの話はよく聞きました。
それで他では大丈夫でもここでは育たない、ということです。もっともなことかと思いました。
■そうすると本当に可能な樹種が限られてしまい、変化のない森になってしまいそうでした。本当にそうかどうか、確かめてみたいという思いがあります。
■できるだけ多くの種類を植樹し、毎年どう成長するのかしないのかを見守っていきたいと思っています。
⇒植樹については重要なテーマですので、詳細は別紙でご報告します。
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■■井戸水を樹木の水やりに使う■■2013年5月~10月
■植樹をしながらも、植樹が終わってからもしばらくの間は水やりが欠かせません。特に夏の日差しは結構きついものがありますのでその間は必要になります。
■そのために井戸を掘って水やりの準備をしてきました。
■2か所の井戸の位置も敷地全体に水やりを行きわたらせるよう配置を決めています。
■基本的に動力を使わずに水を流す考えですので、敷地の上半分の一番上に一か所、下半分の一番上に一か所、位置決めをしました。
■敷地の傾斜に合わせて自然落下で水が低い方へ流れていくように考えています。
■それにしても長いホースを引き回しての敷地全体の水やりは、慣れている造園屋さんといえども結構な重労働です。
■ホースも長くなると相当重くなりますし、樹木と樹木の間をすり抜けるようにホースを通して、植樹した樹の近くに水をやらないといけません。
■もっと上手く水やりが出来るよう工夫するしかありません。
■水やりをする時にホースを準備して引き回して水をやることが大変な訳ですので、事前にホースを準備しておいて必要な時に蛇口をひねれば水が出るように考えます。
■相当な長さのホースを用意して植樹した樹々に合わせてホースも枝分けれする形で配置します。
■井戸の蛇口をひねって水を出してみましたが思うように水は流れてはくれません。ホースを何度もやり替えていろいろ試してみましたが、結果はいまいちです。
■それでも多少は水やりが楽にはなりました。水中ポンプ以外は動力を使わず自然の落差だけで水を分配する仕組みでしたが。
■この時点ではろ過装置はまだ設置していませんでしたので、井戸水が空中の酸素と結合して汚泥ができてしまう問題は解決していません。
■
■・・・
■■森に対して建物をどう配置するか■■2013年5月~7月
■小川の工事とため池の工事にかかる時期になりました。大変重要な工事となります。
■建物を配置する位置はだいたい決まっています。敷地の中央辺りの樹木が少なめのエリアです。高低差的には少し高い方の位置を考えています。
■その建物に対しての池と小川の位置取りを決めます。
■建物の位置は決まっていましたが、配置の向きが決まっていませんでした。
■建物の配置を考える場合、一般的には敷地境界線に平行に一辺を配置します。
■あるいは方位を大切にする場合は、建物を南北あるいは東西の方位に合わせて配置します。
■家相にこだわらない人でもそうですので、日本人の特徴ではないかと思っています。
■敷地が狭い場合は境界線に合わせ、敷地が広い場合は方位を基準に配置するケースが多いように思います。
■軽井沢では、隣地境界線から3メートル、道路境界線から5メートル以上、建物の軒先線を離す事、という条例があり、
■さらに敷地分割も1000㎡以上で分割しなければならない規則になっていますので、ほとんどの別荘地はそのような面積の敷地が多くなります。
■さらに建ぺい率も20%に制限されますので、その場合、建物の配置は割と自由にできます。
■軽井沢では基本的に敷地は傾斜しています。大きく傾斜しているか緩やかに傾斜しているかの違いはあります。
■いろいろと検討して散々悩みましたが結果として敷地の「傾斜」に合わせて建物を配置することにしました。
■等高線は曲がりくねって真っすぐな部分はありませんので、だいたいの平均的な傾斜を現地で見極めながら決定します。
■方位ではなく、敷地境界線でもなく、また樹木の位置にも関わらず、敷地に対しては全く自由に傾斜だけを頼りに「配置の向き」を決める事ができました。
■敷地に対する風向きもほぼこの向きです。夏でも冬でも土地の傾斜に合わせて風が下から上に上って来るように吹いてきます。
■地図で見るとその傾斜は千曲川へズーッと傾斜していきます。この土地の風は、海で言う海風と同じ原理なのでしょうか?川風と理解してよいのでしょうか?
■この敷地に対する建物の配置の向きは、これで決定です。間違いないと思います。
■そしてその視線の先には蓼科山があります。
■春日の森もこの方角に当たります。標高もちょうど同じくらいです。地図上ではお互いに見えてもおかしくありません。
■地上からは見えませんが、この偶然に何となく楽しい気分になります。
■また夕暮れになるとその方向には太陽が沈んでいき、森の樹木たちは真っ赤な夕日に照らされて、逆光の中で神々しく光っていました。
■
■・・・
■■小川工事、1回目■■2013年7月
■建物の位置と向き、すなわち配置がおおよそ決まりました。
■いよいよ1回目の小川の工事に取りかかります。
■すでに井戸の位置を決める時におおよその水の流れは考えていました。
■測量図が無い時点での掘削でしたので、あくまで想定でしたが水の流れの起点としての井戸の位置としては大丈夫そうです。
■まずは上の井戸から下の井戸までの水の流れの経路を決めます。
■ここで測量図の等高線と樹木の位置図面が必要になります。
■当たりまえの事なんですが、「水は高いところから低いところへ流れる」
という事が流れを決める上では全てとなります。
■樹木の間を縫うように流れを通していきます。
■その時に水の気持ちになって、障害物が出てきたら避ける、大きな石が出てきたらよける、そして低い方へ低い方へと流れていき、時には急に時には緩やかにと考えます。
■図面上で大体の見当をつけてから敷地に実際に落とし込んでいきます。
■ポイントポイントに木杭を打っておおまかな流れを見えるようにします。
■その木杭を白墨を使って緩やかな曲線でつないでいきます。
■水の気持ちになって樹の間を縫うように、あっちに曲がりこっちに曲がりしながら、低い方へ低い方へと流れていく白い線を描きます。
■小川を掘る工事の前に試験的に小さな池を掘って水を流し込んでどれくらいの時間で池がいっぱいになるか、やってみました。
■位置は上の井戸と下の井戸の中間地点にします。
■やはりこの敷地の中央あたりは表面の土が乾燥していて水はすぐに地中に浸み込んでいってしまいます。
■もともと軽井沢は浅間山の噴火によってできた土地で、火山灰と火山礫が土壌の主たる構成になっていますので、水が浸み込みやすいのは当たりまえです。
■軽井沢の駅の南側では、もともと湿地帯だった土地も多くあり、そこでは少し掘ればすぐに地下水が出てきていたようですが。
■残念ながら、ここはそうではありませんでした。
■土地の土壌がそのような水はけの良いのであれば、小川に水を流して池をつくってため池のように水を溜めることは、簡単な事ではないと推測できます。
■知恵を絞って考えれば何とかなるだろう、とその時は根拠もなく楽観的でした。
■しかし予想通り、小川の水の流れは井戸から出る時はとても勢いが良いのですが、途中でスーッと地中に浸み込んでいってしまいました。本当にスーッと。
■それでも時間が過ぎるに従って少しずつ少しずつ遠くまで水は流れていくようになってきました。本当にじわじわといった感じです。
■少しの水しか流れていませんでしたが、小川全体に水が流れるようになるとその瞬間大きなトンボが一匹飛んできました。
■小川に沿って勢いよく行ったり来たり飛んでいます。
■本当に出来たばかりの小川にいきなりトンボが現れましたので、ビックリです。
■全長15センチくらいの大きさの、おそらくオニヤンマかと思います。
■この森に水辺ができるのを待ち構えていたような感じでした。
■
■・・・
■■自然が100年かかる事を10年で■■2013年7月
■この森では、自然のままに小川が出来るように小川を造る事が目標です。
■コンクリートはもちろん防水シートも使わず漆喰も使わないで、自然のままにつくりたいと考えました。
■自然が100年かけてやっと出来る小川の流れを、10年でつくることを目指します。
■これまでの作業で、ただ何もしないとおそらく井戸水は下流まで流れていく前に全て浸み込んで消滅してしまうことが予想されます。
■確信があった訳ではありませんが、粘土質の赤土を運んで来て小川に入れる事にしました。江戸時代にはこのやり方で池を造っていたと、ある本で読みました。
■小川を掘った底と横の部分に赤土を入れ、田んぼの土手を叩くように押さえて、多少なりとも防水効果が出るだろうと期待しました。
■幸いにして明らかに効果はあるようです。井戸水の浸み込みは確実に減ったように見えます。ただ時間が経つと少しずつ赤土も水とともに流れていってしまうようです。
■それを防ぐ方法として、小川の土手の部分には草を植えることは考えていました。
■小川の流れを観察していると、水の浸み込みは川底の部分よりも横の土手部分からの浸み込みが多いように見えます。
■土手に草を植える前に石をある程度据え付けたいとも考えました。
■小川の川沿いの雰囲気を出すためでもありますが、それよりも土手から水が浸み出さないようにしたかったからです。
■まずは赤土の定着具合を観察しながら必要であれば追加で赤土を入れ、石の据え付けと草の植え込みのタイミングを計ることにして、しばらく様子を見ます。
■順番を間違わないようにしないと二度手間になります。
■小川の流れを時間をかけて観察し、水が浸み込まないよう少しづつ改良を加えていけば、何とか最後まで流れが到達すると確信しました。
■
■・・・
■■汚泥が発生■■2013年7月
■小川に井戸水を流し始めてしばらくすると、もうすでに汚泥が発生していました。
■それでもその日はそれほどでもなかったのですが一日たった次の日はあっと驚くほどでした。予想以上でちょっと困った感じです。
■水がきれいであればすぐに地中に浸透してしまうし、浸透しなければ鉄分が汚泥として小川を覆ってしまう、というどっちにしても困った状況です。
■でもよく観察していると、汚泥の発生にも特徴がありそうだと見えてきます。
■流れが急な場所ではそれほどではなく、流れが緩やかな場所では汚泥の発生がひどくなるようです。
■流れが早いという事は鉄分が空気と触れ合う時間が少ないという事です。
■残念ながらこの敷地では傾斜が緩やかですので、水の流れの速さをそこまで期待することは難しいようです。
■水の流れを速くするためには、小川に何らかの工夫をすれば何とかできそうだと、ひとつのヒントをもらった感じです。
■もう一点観察して気づいたことですが、鉄分は太陽の直射日光を受ける場合に多く汚泥が発生しているように見えます。
■天気の悪い日とか、木陰であまり日光が当たらない場所の流れでは汚泥が少ないようです。理由は分かりませんが、これもひとつのヒントになるかもしれません。
■ただ現状では汚泥をなくすことは不可能だと分かりました。
■これは自然の摂理ですので、ろ過装置を設置するまでは、このまま様子を見ることにします。
■
■・・・
■■小川工事、2回目■■2013年7月
■2回目の小川工事を始めます。今回の工事は1回目の続きです。
■下の井戸から始まって、さらに下の方へ水を流します。
■この頃には上の井戸からの水の流れはやっと下の井戸の手前まで到達していました。
■前回同様、白墨で流れの当たりを付けながら、樹と樹のあいだを曲がりくねって下流へ曲線を描いていきます。
■その後、一番小さなタイプのバックホーで樹々の間をすり抜けるように掘っていきます。
■最後は流れの下の方でため池をつくり、その池で小川からの水の流れをうけます。
■池については、1回目の小川工事の時に試験的に池を掘って水の浸透具合を確認しました。
■今回は水の流れの終点の池として井戸水の流れを受けるだけでなく、大雨時の雨水の集水の役割も考えていましたので、位置決めは慎重に行いました。
■敷地を観察していると雨が敷地の中をどの様なコースで流れていくか、この頃になってだいたい見当がつくようになっていました。
■水は高い所から低い所へ流れていく、ということです。
■大雨が降った場合の雨水の流れは等高線である程度わかります。
■ため池の位置もその雨水の流れを想定して、できるだけ雨水が集まって来るような位置に設定します。少し流れを誘導することも必要ですが。
■普段は小川の水をそこで一旦受け止めてから地中に浸透させて、再び地下水に戻るようにします。
■従って、このため池は底に赤土を入れたりせずに、元の地中に浸み込みやすい土のままにしました。
■という計画でしたが残念ながら、井戸から流れ始めた水はすぐに地中に浸透してしまい、ため池の遥か手前というよりも井戸から少し流れた地点で、水の流れは途絶えてしまいます。
■こちらの小川も上の井戸からの小川と同様、赤土を入れて浸透しにくいよう手入れをしましたが、
■小川の最終地点であるため池まで流れがスムーズに到達するには相当な時間がかかりそうな感じでした。
■最終的な小川の整備は家ができてから完成させる予定ですので、気長に一歩一歩進めていきます。
■とにかく小さな事にも関心を持って何事も見逃さないよう、注意深く観察し続けるしかありません。
■
■・・・
■■10年後の風景を夢見て■■2013年7月
■10年後、この小川にホタルが飛び交う風景を見ることが目標です。
■こちらの小川のコースは、南側の樹木が割と密集していて主に日影が多いエリアと、その北側の樹木が少なく空間が開けた明るいエリアの境に沿って、クネクネと水を流しています。
■小川の上には覆い被さるように広葉樹が生い茂っています。
■広葉樹の落ち葉もホタルの生態系には重要です。広葉樹の落ち葉の養分が小川にしみ出して、エサなどの生育を手助けするということのようです。
■ホタルの生態環境について多少なりとも勉強して考えだした結論です。
■水の流れの淵の環境が特にホタルの生態には重要です。広葉樹の高木の下にも小川に沿って低木を植えていく予定です。ホタルの生育に適した樹木もあるようです。
■この辺りがホタルの棲み処になっていけば良いのにと期待しています。
■ホタルの生態の勉強だけでなく、そのエサのカワニナの生態、カワニナのエサになる藻の生態、など勉強することがいっぱいです。
⇒ホタルについては最重要テーマですので、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■■水中ポンプに問題が発生しました■■2013年9月
■想定外の問題が発生しました。
■汲み上げた井戸水が酸素に触れると水中の鉄分と結合して汚泥のような物質ができる、という事は当初から井戸業者とろ過器業者さんから聞いていました。
■ただそれは汲み上げられて地上に出てきた時に空気に触れて出来る、と理解していましたので、水中でも起こりうるとは想像もしていませんでした。
■水中ポンプが3か月くらいで水の出が悪くなりさらに1か月後には全くポンプが停止してしまうようになりました。
■水中ポンプを分解してみると、ドロドロの汚泥がポンプの羽根のところに詰まっていてこれが原因で停止してしまうという事がわかりました。
■途中の配管も汚泥でほぼ詰まっている状態です。
■上の井戸も下の井戸も同じでした。ただ、ポンプが詰まる時間には若干の違いがあります。
■上の井戸が3か月かかる時間が下の井戸では4か月から5か月くらいに時間が伸びます。理由は不明ですが何か解決のヒントが隠されているかもしれません。
■井戸業者さんもろ過装置の業者さんも共に原因が分からないという事で、お手上げです。
■3か月くらいで極端に水の出が悪くなるので、そのタイミングでポンプの掃除をする事にします。
■初めは全部分解してブラシでゴシゴシそぎ落とす感じで掃除していましたが、ろ過装置業者さんが、シュウ酸を使うと鉄の汚泥は簡単にきれいになると教えてくれました。
■試してみますとなるほど、シュウ酸を薄めたバケツに分解したポンプの部品をつけておくだけで見事にきれいになりました。
■
■・・・
■■ヤマモミジの移植をする■■2013年10月
■知合いの紹介があり、軽井沢のホテルで伐採されようとしていたヤマモミジなどを譲り受けることができそうだという話がありました。
■ぜひにとお願いすることにしました。
■そのホテルでは、これまでのコテージを取り壊して新しい大きなコテージに建て替える大規模な工事が着工されようとしていました。
■そのために今ある樹木の大半を伐採処分するという話しを小耳にはさみました。
■これはもったいない、と瞬時に判断し、すぐホテルの知合いの人に相談を持ち掛けました。
■検討してもらった結果、現場の支障にならない範囲であればという条件付きで許可が出ました。
■ヤマモミジが5本、リョウブが2本、ニシキギが1本の計8本でした。他にもいっぱいあったのですがこれが限界でした。
■急きょ造園屋さんにお願いをすることになったのですが、1社では予定が合わず2社に分けてお願いすることにしました。
■1日目に掘り出して敷地まで運ぶ担当と、2日目に敷地で植える担当に分かれます。
■それぞれの造園屋さんもうまく連携して頂きホテルの現場監督さんの協力もあって無事移植が完了しました。皆さまに感謝です。
■あとは、うまく根付いてくれるかどうか。
■
■・・・
■■小川工事3回目とため池の工事■■2013年10月
■3回目の小川工事にかかります。
■この頃には、上の井戸からの流れと下の井戸からの流れは下の井戸の所で合流して、下のため池まで流れが到達するように成長していました。
■おそらく赤土を小川に投入した結果、多少なりとも防水効果が発揮されてきているのだろうと推測できます。
■今回の工事も下の井戸から始まるのですが、新たに流れの向きを直角方向に向けて小川をつくり水を流す計画です。
■この向きは敷地の中央部分に向けて流れていく方向です。
■そして敷地のほぼ中央に池を掘ってそこに流れを引いていきます。
■測量図で敷地全体の高低差を調べると、家を建てる予定の場所から敷地の最も低い方向へ、土地は傾斜しています。
■そして中央部分が少し谷のようにくぼんだ状況になっています。
■従って雨が降って雨水が敷地を流れるようになると、その中央部に沿って流れることになると推測されます。
■そこで雨水も集られるようなため池をつくりたいと考えました。
■井戸からの小川もここへ流れてくるよう流れに道筋をつくります。
■しかし敷地は傾斜していますので、あまり大きなため池はつくれません。傾斜に合わせて小さな池を段々に上から下へつくっていく事にしました。
■傾斜地を上手に利用した風景に棚田があります。
■棚田は日本の農村風景にとって最も美しい風景を残してくれています。ここにも 小さな棚田のような風景が現れることを期待しています。
■あちこちと流れてきた水は、最後に地中に浸透して再び地下水に帰っていくという、大切な水の循環がここで生まれるよう試行錯誤を繰り返していきます。
■小川もため池もそのまま土を掘っただけの状態で赤土もそれほどしっかり施工したわけではありませんので、今後を注意深く見守りたいと思います。
■
■・・・
■■秋の紅葉のころ■■2013年11月
■まだ敷地の整備を始めて一年目ですが、ここの紅葉は以前からずーっと美しかったと思います。
■広葉樹、特にナラ系の黄色の葉っぱが中心ですが、そんこに今年はヤマモミジの赤が映えています。
■ウルシ系の低木でしょうか、真っ赤に染まり点々とですが敷地にアクセントを加えています。
■赤と黄色がバランス良く紅葉するようになるとさらに美しさは増すことになると思われます。
■ヤマモミジは家ができる頃に合わせて、家のそばに植樹をしていきたいと考えています。
■同じ理由でヤマザクラも、最終的に家との関係で位置を決めて植樹する計画ですので今は控えているところです。
■
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■■冬を前に小川の整備をする■■2013年11月
■3回の小川工事で、計画していた分はほぼ終わりました。
■ため池を経由して、敷地の一番上から一番下まで、水を流すことに取りあえず成功しました。高低差はほぼ15メートルです。
■その間、鉄分の汚泥問題は解決していません。ポンプが詰まって水が出なくなる問題も同じです。定期的にメンテナンスをして、水は流れるようにしています。
■さまざまな予想外のアクシデントが起こってしまいこれから大丈夫なのだろうか、と不安になることもありました。
■その中でひとつだけ良いこともありました。
■小川に井戸水を流すと、鉄分の汚泥が発生して小川がドロドロ状態になります。
■そのドロドロが小川を覆い尽くすようになるとしばらくして、そのドロドロは川底に沈んでしまいその上を水が流れるようになりました。
■冬を前に敷地を見に行くと、紅葉が終わった広葉樹の落ち葉が一面に降り積もり、太陽の日差しに照らされて、とても美しい景色でした。
■ところが小川にも平等に落ち葉は降り積もり、流れをせき止めてしまっていました。
■その結果、井戸水はそこかしこで小川の外にあふれてしまいました。
■あふれて外に流れ出てしまった水はやはり鉄分が空気と反応して汚泥ができていました。残念ですがあまり美しいものではありません。
■小川の中の落ち葉を汚泥といっしょにかき出すことにしました。ホームセンターで熊手を買ってきました。普通の竹のものではなく金属の熊手にしました。
■汚泥の浸み込んだ落ち葉はかなり重く、金属で正解だったと思いました。結構な重労働となりました。
■すべてかき出した後小川を見てみると、汚泥は小川の土と混じってしまっていました。この土は後から施工した赤土です。
■これ以上汚泥をかき出すと赤土がどんどん削れて黒土が現れます。黒土は水が浸み込みやすいので赤土をできるだけ残すようにしたいと考えました。
■ほどほどで汚泥の除去は諦めましたが、その状態というのは汚泥と赤土が混じっているような状態でした。
■落ち葉はすべてかき出せたようです。
■
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■■大発見か?■■2013年11月
■きれいになった小川に、といっても汚泥のために黄色くいなった土でしたが、再び水が流れました。するとどういうことでしょうか。
■これまでのようにすぐに水が浸み込んでしまう事もなく、汚泥混じりの川底の上をスムーズに水が流れているではありませんか。
■えっと思いました。そこで気が付きました。
■鉄分の汚泥は水に対して防水効果があるのではないか。大発見でした。
■小川の防水の下地としてうまく利用できるかもしれません。少なくとも赤土と同じ防水効果は期待できそうな感じです。
■
今後注意深く観察していきたいと思います。
■
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■■井戸水をサイホンで汲み上げる■■2014年1月~
■鉄分の汚泥のせいでポンプが詰まってしまって動かなくなる、という問題は何が何でも解決しなければならない重要課題でした。
■3か月に一度のメンテナンスを永遠に繰り返すことは、相当な負担になります。
■何とかしなければ、という事で考え付いたのが「サイホン」の仕組みを利用できないか?というアイデアでした。
■動力を使わず敷地の高低差すなわち重力を利用する仕組みです。
■江戸時代の昔からすでに利用されてきた仕組みですが、軽井沢の敷地も緩やかですが高低差がありますのでこれを利用できないか、という思いつきです。
■敷地全体では15メートルの高低差があり、上の井戸の水面は季節の変動を考えても6メートルくらいの位置でした。
■敷地中央部分の池の辺りで、上の井戸からは7メートル下がり位ですので、上の井戸の水面からは1メートル下がっていることになります。
■まず上の井戸から中央池の縁まで黒パイプを
延長します。黒パイプの一端は上の井戸の中に沈めておきます。
■パイプの長さは100mくらいになりました。
■次に中央池の方のパイプの端からパイプ内の空気を吸いだします。ストローで水を飲む要領です。
■井戸から水を強制的に吸い出してやると、パイプの中を水が流れるようになります。
■そうなればサイホンとして、水はパイプの中を永遠に流れる、はずです。
■
■・・・
■■サイホンは上手くいったかもしれない■■2014年1月~
■理科の教科書の知識の通りでは上手くいくはずでした。
■当初、1週間くらいは順調に水は出ていました。何の動力もポンプとか電気とか使わずに、です。
■1週間くらい過ぎると水は止まってしまいました。
■何度か同じ失敗を繰り返しましたが、毎回同じ結果でした。
■原因はよく分からないのですが、黒パイプの中が完全な真空状態ではなかったのではないか、と推測しました。
■パイプは100メートルと長いので、途中一か所ジョイントを設けていました。このジョイントからほんの少し空気が漏れているのではないかと。
■サイホンは内部が完全に真空状態になっている必要があることは、理屈上理解できていました。
■黒パイプではなく塩ビパイプでジョイントを完璧に密封してやれば、その問題は解決しそうに思えます。
■さらに少し細いパイプにして、中の水の重さを軽くしてやる必要もありそうです。
■が、実験は一旦ここで終了としました。
■ポンプの詰まりはポンプを使わないので起こり得ませんので、これで解決です。
■完璧なサイホン方式で水を汲み上げれば途中で空気に触れることはありませんので、パイプの中で鉄汚泥ができることも無いだろう、と推測しています。
■従って、中央池まで井戸水を汲み上げて引っ張ってくることは出来そうです。
■しかし、中央池まで引っ張ってきた水を家の位置まで上げるためには、また揚水ポンプが必要になってしまいます。
■その場合に揚水ポンプが詰まらない保障はありませんので、ろ過装置はそのi位置、中央池のそばの位置に設置しなければいけなくなります。
■その位置は景観上最も大切な場所に考えていましたので、そこにろ過装置の小屋をつくる事には抵抗があるのですが、他に方法がなければ致し方ありません。
■技術的には不可能ではなさそうですがちょっと大げさすぎる感じもして、全体計画も考え他の方法を検討することにして一旦保留としました。
■
■・・・
■■コンプレッサー方式にチャレンジ■■2014年1月~
■この方法は、単純です。
■水中ポンプを使わず、井戸水を汲み上げる考え方ではなく、コンプレッサーから空気を送り込み、その勢いで井戸水を地上に押し上げようとする方法です。
■井戸業者さんが小諸の温泉の深井戸で実際に行っている方法だそうで、そこではそれ以外の選択肢がなかった、ということで採用したそうです。
■今回も最初は簡単な実験から入りました。
■ろ過装置さんから小さなコンプレッサーをお借りして、まずは上の井戸で試してみました。
■水中ポンプのようにスムーズに水流が上がってくるわけではなく、 ゴボッ ゴボッといった音と共に断続的に井戸水があふれてきます。
■コンプレッサー方式で水を上げることも取りあえず、成功です。
■ただ、音がうるさいのです。タンタンタンタン、というコンプレッサー特有の音ですがこれがうるさいのです。
■地下に機会を入れる防音ピットでも作れば騒音の改善は期待できると思いました。
■結局この方法も技術的には不可能ではないが、この場所では避けたい方法でした。
■もう少し改良を加えれば実用化できるかもしれませんが、取りあえず保留です。
■
■・・・
■■池のイメージは棚田風■■2014年1月~
■様々な試行錯誤を続けながら、家造りの作業も同時に進めました。
■小川とため池の工事が終わって何とか水も流れるようになってきました。
■汚泥の問題は残っていますが、全て排除することは不可能ですから、うまく利用することを考えつつ、取りあえず前に進みます。
■この頃になると、敷地全体のイメージが出来つつあるのを実感していました。
■そろそろ、家と池と小川の関係も整理していくことになります。
■ため池については敷地の低い方に小さな池を2か所設けましたが、これは実験的な要素が強いです。
■流れ込む水の量と地中に浸み込んでしまう水の量を観察することが目的です。
■さらにこのまま放っておくとどんな植物が生えてくるのか?どんな虫が現れるのか?楽しみに観察したいと思っていました。
■実際にはもっと家の近くに池はつくりたいと考えています。家の中から池を眺められることが約束です。
■敷地の傾斜に合わせて建物の配置を考えていますので、建物は池の方向に向いて池を見下ろすような位置関係になります。
■その傾斜に沿って池をいくつか連続させれば、イメージとしては棚田のように段々と下方に重なって、水もまた同じように池に合わせて下方に流れていく。
■そんな里山の風景のような庭にすることが、目標です。
■家の中からでも連続した池の段々がすべて見えるよう、床の高さ設定がポイントかと考えています。
■
■・・・
■■日本式の家屋とは■■
■この敷地に出合う前から、日本式の家屋にすることは決まっていました。
■日本式の家屋という言い方は微妙な表現になってしまいますが、和風住宅とは違う家という意味合いです。
■おそらく一般的な和風住宅とは一般的な洋風住宅ができた以降に作られた表現であり、それ以前は和風住宅しか無かったわけですから、和風住宅という表現は存在しなかったと考えられます。
■洋風住宅に対しての和風住宅ではない、日本古来からの住居、をイメージしています。
■ややこしくなるといけませんので、洋風住宅に対しての和風住宅を「和風住宅」と呼び、日本古来の住居は「日本家屋」とここでは呼ぶことに、決めます。
■「和風住宅」とは戦後の混乱期に建築基準法によって発明された住宅と考えて良いと思います。日本の建築史的には70年弱の歴史しかありません。
■「日本家屋」とはすべての日本の歴史をさかのぼる事のできる住居スタイルと考えられます。縄文時代からとなりますから2千年とか3千年とか、それ以上とかになります。
■竪穴式住居と名付けられています。
■現存する最古の日本建築は法隆寺という事になっていますので、その頃の一部権力者の間では「日本家屋」は
日本国内で成立していたと思われます。
■一般人は掘っ立て小屋に住んでいたのでしょうが。残念ながら、それらには歴史的な名前はありません。
■その後、貴族の社会になってきますと貴族の住居として、寝殿造と呼ばれる建築様式が広まります。
■その頃も一般人は掘っ立て小屋に住んでいたと考えられます。
■室町時代に武士が台頭してきました。彼らの住まいがやがて書院造となり江戸時代に受け継がれます。
■江戸時代が終わり明治の時代になっても、書院造の住居は変わりませんでした。その代わり西洋から洋風建築様式が輸入されます。
■ここで、洋風建築に対抗して和風住宅という様式の考え方が出てきたと思います。
■
■・・・
■■和風住宅と日本家屋の違い■■
■「和風住宅」と「日本家屋」の違いについて考えてみます。
■ザックリ言うと「壁が主」か「柱梁が主」か、という事になります。
■もっと単純化して「和風住宅」=壁、「日本家屋」=柱、としてもイメージとしては間違っていないと思います。
■「洋風住宅」が壁で「和風住宅」は柱だろう、という方もいるかと思いますが、それは違います。
■その時の柱イメージの「和風住宅」とは間違いなく「日本家屋」の事なのです。
■ここのところをしっかり区別しておかなければなりません。最も大切なところです。
■今でも「日本家屋」は日本各地で普通に建っていてそこで普通に生活が営まれている事も間違いありませんが、建築基準法に対しては違法建築とされてしまします。
■日本の古建築なども建築基準法上の木造とすると基本的に違法となってしまいます。
■建築基準法では「家を建てる場合は地震などに備えて壁を多く設けなさい」という事を指導しています。
■そして、そのような規定になっているため、「和風住宅」=壁、となってしまうのです。
■今回の計画は、家の中から池を眺めるために敷地全体をイメージし、小川とかため池とか、井戸とかの工事を進めてきています。
■従って、「壁」の家ではダメなんです。「柱」の家でないと困ります。
■家づくりは「日本家屋」で建てることに決めました。
■ただ違法建築は建てられませんので、どのようにして確認を取るのか、また新たな難題が現れました。
⇒建築基準法については重要なテーマですので、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■■日本の古建築を見る■■
■家づくりでイメージしていたのが日本の古建築でした。
■特に京都のいくつかの建築のイメージをずっと温めていました。
■京都は古建築といっても神社仏閣だけでなく、皇室関係の住居別荘に名建築が多くあります。
■そしてそれらに付随するように必ず茶室があり、露地があります。
■これらの小さな名建築、名庭園を選んで実際に京都へ行って見学したり写真などを眺めて勉強したりしていました。
■銀閣寺、竜安寺、大覚寺、大徳寺、西芳寺、仙洞御所、修学院離宮、
等々数え上げればきりがありませんが。
■
■・・・
■■桂離宮についての考察■■
■おこがましいのですがそれらの中でも何といっても、一番は桂離宮です。
■これまでにも何度となく足を運び、指定された園路に沿ってですが池に面して庭と建物などを鑑賞させていただきました。
■水と樹と建物と石とそしてそれらのバランスすべてがイメージとして心に刻まれていると感じています。
■軽井沢の計画では全体のバランスを最優先で考えていきたいと思っていますので、その上で何か参考になる事があるはずだと勉強してきました。
■その一つとして離宮内でのお茶をたてる場所の位置に注目しています。
■複雑な形をした池の周りを飛び石を踏みながら巡り、様々なお茶室に立寄り一休みをし、自らそこでお茶をたて客をもてなしています。
■おそらく正式なお茶室とは別にお茶をたてる場所を設けたのには、理由があると思います。結果としてすごくモダンな考え方をしていたのかな、と感じています。
■池を眺めながらということが大切ですので、お茶をたてるために池を望む最も具合のよい位置に炉が備わっています。合わせて水屋の機能もあったようです。
■お茶を喫する場所でもあるのですが、それよりもお茶をたてる、お茶をたてて共に喫する、という事が重要でした。
■そのような行為をする場所を、最も気持ちの良いであろう池に面した位置に備えるようになっています。
■この考え方はぜひ取り入れて軽井沢の計画に組み込みたいと思っていました。
■そのための小川つくり、そのための池つくり、そのための森つくりと捉えています。
⇒桂離宮については重要なテーマですので、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■日本の古民家を考える■■
■日本の建築の歴史をお大雑把に区別してみますと、平安時代の公家の寝殿造、室町時代の武家の書院造、江戸時代の町人の数寄屋造となります。
■数寄屋造は料亭、旅館などで現代では一般的な意匠となっています。茶室も数寄屋建築と言えると思います。
■書院造は主に住宅によって現代でも残っています。一般に「日本家屋」といえばこの書院造がイメージされると思われますが、結構あいまいなところです。
■洋風住宅の中の一室として残っている畳室も、書院風な和室が多く見受けられます。
■他に京都の町屋建築も、京都だけでなく小京都と言われるような地域では今でも全国的に残されています。
■田舎はどうでしょうか?農家建築というジャンルはありませんが良く言われる古民家はこの農家建築の事を言っている場合が多いようです。
■商家建築の古民家もありますが、これを町屋と言って区別しているのだと思います。
■ここでは古民家の厳密な分類を試みているわけではありませんし、それは家づくりにはあまりにも無意味な事のように思えます。
■それぞれの古民家が地域とか年代とかで様々に変化し融合して現代に残っていて、それらの建築を見て今の我々が感動している、という事実が大切なように思います。
■軽井沢に土地を探している時期、同時進行であちこち移築できそうな古民家を探していた時期もありました。
■結局、良さげな古民家が見つかりませんでしたので、諦めました。
■諦めたひとつの理由として、当たり前のことなのですが古民家を語る時に意外と話題にならないことがあります。
■100年建って残ってきた古民家は、新築で建てる家よりも100年寿命が短いのではないか、という疑問です。
■寿命が300年の古民家は100年建っていれば残りは200年でしょうし、寿命が150年の古民家であれば100年建っていれば、残りの寿命は50年となります。
■同じ材料 同じ職人 同じ環境で建てられた家であれば、100年前に立っていれば100年早く寿命が来ることは道理です。
■問題は同じ条件で新築で家が建てられるか?この一点かと思いますが、
■100年前に普通に出来たことが今出来ないのであれば、それこそが問題であり解決すべきことは、この事ではないかと考えています。
■ここでも又、建築基準法が問題を難しくしているようです。
■■古民家探しから民家造りへ■■
■今回は新築で家づくりを進める事に決めました。
■軽井沢の家では「日本家屋」を家づくりとして考えていますが、それをグーッと絞り込んでいくと「民家造り」というテーマにたどり着きました。
■古民家の場合、新たに造ると言ってもそれは移築という事になります。新築ではありません。
■古民家の移築ではなく、民家の新築すなわち「民家造り」をする事になります。
■古民家を新築で建てる、という風に考えると、家のおおよそのイメージは、どのような古民家にするのか?と考えれば良さそうです。
■日本全国各地に古民家は減ってしまったとはいえ今でもたくさん残っていて、文化財として保存されている古民家も数多くあります。
■現存する古民家だけでなく、すでに取り壊されてしまったものも写真として絵画として、その場所の風景とともに今でも目にすることが可能です。
■その中からこの場所の自然環境、風土、暮らしに最もふさわしい古民家を探し出せば探している答えは見つかりそうな気がします。
■軽井沢の森の中に家を建てる、という事から考えますと町屋ではありません。田んぼも畑も無い森の中ですから、田舎の農家というのも不自然な感じがします。
■ただ、この森に小さくとも田んぼや畑を作り出すことができれば、小川が流れ、ため池ができるわけですから、風景としても田舎の古民家は可能なように思えます。
■名主が苗字帯刀を許されるようになり、家のつくりも農家から少しずつ武家屋敷風になっていって、農家なのですがそれが立派になった建物に庄屋さんの家があります。
■「庄屋造り」
というカテゴリーはありませんが、今回のイメージとすると近いところかと思います。
■農家ベースなのですが、書院的な要素が組み込まれてきた結果、堂々としていて洗練されている、そんなイメージです。
■もう一つ同じように洗練された農家のイメージの建物があります。お茶室です。
■お茶室もそもそも田舎の農家がベースにあり、それを茶人たちがそれぞれの美意識でもって洗練させてきた様式だと理解されています。
■足利義正公の銀閣寺同仁斎がお茶室の起源のように言われていますが、これは全くの書院造であり、書院でお茶を楽しむことからお茶室は始まったと考えられます。
■お茶室の起源は、洗練されてかしこまった書院から田舎の農家的な自然な雰囲気、気楽さに置き換わった時に生まれたのではないでしょうか?
■これは意匠的なことよりも、空気感のようなものが変わったのだと思います。
■お茶室といえば、今ではほとんど数寄屋の代名詞のようになってしまいましたが、それよりも書院造のお茶室の洗練された気高い空間がとてもシンプルで美しいと感じます。
■建物のイメージが少しずつ見えてきました。
■
■・・・
■■桂離宮をもう一度振り返ってみます■■
■桂離宮は基本的に書院と言われている建物は書院造ですが、庭のあちこちに点在するお茶室は数寄屋造りです。
■今回の計画では数寄屋造りの様式は避けたいと考えていますので、桂離宮から数寄屋造りの要素を除くためにはどうしたら良いのか?試行錯誤しています。
■結論としては、庭に点在する茶室群を書院造りの様式で再構成できれば、と考えています。
■建築の始まりは空間を素材で囲む事だと考えます。それらに時間が加わることによって始めて建築空間として成立すると思います。
■おそらく桂離宮から数寄屋造りの要素を取り除きたいということは、数寄屋特有の素材を取り除きたいと感じているのかもしれません。
■そんなことをすればそれはもうもちろん桂離宮ではありませんし、それで別に問題はないのですが、そこには一体何が残るのか、イメージできていません。
■もしかするとごく普通の昭和チックな家が出来上がるかもしれません。それはそれで楽しみでもあります。
■ただ、そうではないと確信があります。
■そもそも間取りが全く違います。他の古い建物、茶室などを見回しても似たようなものがありません。ほとんど間取的にはオリジナルなのです。
■
■・・・
■■数寄屋とは?俵屋旅館で感じた事■■
■数寄屋造りは素晴しい日本の建築様式だと思いますが、いかんせん素材が特殊になり過ぎています。そしてそれこそが数寄屋だ、と誤って評価されてしまっています。
■数寄屋という言葉が現れる以前は、侘び寂びと言われていたものが、数寄屋という言葉が定着してくると、もともとの侘び寂びの精神が薄れていってしまいました。
■そして特殊な素材を使ったり銘木とかの高価な材料にこだわる事こそが数寄屋だといった勘違いが広まってしまったように感じます。
■京都に俵屋旅館があります。
■数寄屋造りの名旅館ですが、特別な素材を使ったり銘木で作りこんだりといった風は一切感じさせません。
■おそらく使ってはいるのでしょうが、あえて目立たせない工夫がされているように思われます。
■調度品も第一級品が置かれているのですが、あくまでもさりげなく謙虚に鎮座しています。
■
■・・・
■■書院とは?銀閣寺同仁斎で決まり■■
■数寄屋が俵屋旅館だとすれば、書院は銀閣寺東求堂同仁斎で決まり。桂離宮は別格という事でよろしいかと思います。
■同仁斎は、日本の和室の原点と言われています。
■
■・・・
■■第一は伝統構法■■
■「日本家屋」をつくることに決めました。
■どうしても守りたい事がいくつかあります。その第一が「伝統構法」です。
⇒伝統構法については重要なテーマですので、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■■第二は自然素材■■
■「日本家屋」をつくるために、守りたい事の第二は「自然素材」です。
⇒自然素材については重要なテーマですので、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■■第三は室礼しつらい■■
■「日本家屋」をつくるために、守りたい事のな第三は「室礼しつらい」です。
⇒室礼しつらいについては重要なテーマですので、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■■基本設計の取りまとめ■■2014年1月~
■ いよいよイメージを図面化する作業に入ります。
■目的は工務店さんに概算見積りができる程度の図面資料をお渡しすることです。
■打合せをする上でも、まずは基本設計が必要となります。
■仕様書、配置図、平面図、立面図、断面図、屋根伏図はCADで作成、電気設備図・給排水設備図はプロット図をスケッチで作成しました。
■詳細図は取りあえず参考図のコピーでと考えました。
■プランニングをこれまで配置と共に時間をかけて進めtきましたので、平面計画はだいたいまとまっていました。
■平面計画が決まれば配置もほぼ決まります。
■そして屋根伏も決まってしまいます。立面も断面も決まりました。
■基本設計の作図作業はそれほど時間をかけずにできてしまいました。
■仕様についてのイメージはできていたのですが、材料とか仕上とかを具体的に決めていく作業は、なかなか骨の折れる作業となりました。
■これらの仕様については、工務店さんと打合せを重ねながら相談させて頂き、少しずつ改善させて仕様書をまとめていきました。
■これらの取りまとめ作業は工務店さんとの打合せ期間中ずーっと続きました。
■
■・・・
■■平面計画について■■2014年1月~
■平面図を作成する上で、決定事項がいくつかありました。
■基本的に床はすべてタタミとします。
■ほとんどの居室がタタミの間になり、それ以外はほとんどありません。
■水廻りといろりの間、そして土間部分がタタミでない床になります。
■タタミの室はすべて京間にします。
■全てのモジュールに影響がありますので、とても重要な決定事項です。
■長野県は一般的には関東間だということでしたが、京都の基本的なモジュールでイメージをまとめていきたいと思っていました。
■柱は5寸角としました。4寸、4寸5分も併用になると思います。
■京都の桂離宮とか町屋などの主たる建物は4寸角の柱を使うことが多いようです。
■5寸は少し太いので4寸でも良いのかな、という気持ちはあります。
■田舎風な感じでいくのであれば5寸もありかと、いろいろ悩ましいところです。
■これで平面図面が作成できます。
■逆に言うと、タタミの大きさと柱の太さが決まらないと平面図はできない、となります。
■材は、マツ、スギ、ヒノキのどれかでしょうが最後まで決めきれないでいましたが、これは仕様の話になりますので、後回しにします。
■建具はアルミサッシを使わず木製の建具にしたいと思っていました。
■外から、雨戸、網戸、ガラス戸、障子戸と4枚の建具が入ります。
■雨戸と網戸を一本溝としても、建具溝は6本にもなってしまいます。
■江戸時代などは、ガラス戸がありませんでしたし網戸もありません。それでシンプルに収まって見えるのですが、現代でガラス戸と網戸を無しにできません。悩ましいところです。
■建具については平面図に記入することで建具表としました。
■壁は真壁、竹の木舞に土壁塗り、漆喰仕上げとします。
■大まかなゾーニングは、まず2棟の古民家風な建物が傾斜の高い方と低い方で向かい会います。
■低い方の古民家風な建物には、タタミの続き間が客間的にあり、庭に面して広い縁側が囲んでいます。
■いろりの間は板の間です。土間の間と合わせて古民家風な雰囲気をつくっています。
■高い方の建物には台所と食堂、水廻りを配置します。
■それぞれを縁側という渡り廊下で互いに行き来ができるようにします。
■その縁側のあちこちに取りつくように小さな付属室が付け加えられます。その中にはお茶室もあります。
■それらの建物と一体化するためには森、池、小川との関係が大切なのですが、外を眺めるというよりも外と内との一体感が欲しいと思いました。
■壁はなく、建具を空け放つとそこには柱と屋根しかなく、まるで庭の中で生活するような、そんな一体感です。
■そのために壁の無い柱のみで空間を構成する事が可能な構造が必要でした。
■それが、伝統構法ということになります。
■
■・・・
■■立面図、断面図、屋根伏図について■■2014年1月~
■立面断面を考えながら先に屋根伏図をつくります。
■そして断面図、立面図の順番で作成します。
■屋根については、2段式で考えていました。
■中央は大きな屋根として勾配は急にします。その周りのひさし的な屋根を大きな屋根の周囲にぐるりと回して下屋とします。
■下屋の下は縁側だったり、通路だったり、水廻りだったりします。
■大きな屋根の下は、座敷の続き間、居間食堂の板の間などの主たる居室になります。
■主たる居室を従たる居室でない空間がぐるりと囲む形になります。
■おおよそ戦前の日本家屋のほとんどはこの形式でした。
■そしてついこの前までこの形式の家屋に、ほとんどの日本人が暮らしていました。
■日本のどこにでもなつかしい里山の風景が残っていた頃、ついこの前のことです。
■大きな屋根には主たる居室が納まり主たる構造で構成されています。
■従たるひさし的な屋根には居室は設けず従たる構造にして壊れやすくしてあります。
■この構造形式はゴシックとかロマネスク様式の教会建築と似た考え方かと思います。
■大きな構造を従たる構造で支えて一体でバランスをとっているように見えます。
■内部の使い勝手を全体の構造に従属させつつ、構造も内部機能に従属させる。バランスの取れた建築形式だと思います。
■従って、屋根伏、断面、立面の関係は切っても切れない密接に結びついた関係になっています。同時進行で進めていくべき作業です。
■意匠より構造が優先することは明らかです。
■
■・・・
■■閉鎖系住居vs開放系住居■■
■閉鎖系住居とは、
北方の寒い地方での住居スタイル。
①建物は壁が基本で断熱性の高い素材を使います。
②開口部は小さく2重3重窓となります。
③外部とは遮断された室内空間となり、
④暖炉やストーブで冬の寒さをしのぎます。
夏は室内で過ごせないので主に外での活動になります。
日本では全て空調によって冬も夏も快適な室内環境に保たれます。
ただ空調は人によって好き嫌いがあります。
■解放系住居とは、
南方の温かい地方の住居スタイル。
①建物は開口部が基本で断熱性はそれほどではない素材を使います。
②開口部は大きく障子・ガラス戸・雨戸などが納まります。
③外部とは一体化された室内空間となり、
④コタツやストーブで冬の寒さをしのぎます。
夏は室内で快適に過ごすための室礼が用意されます。。
日本では空調がなくても快適な室内環境に保たれるよう工夫されています。
ただ最近は空調が好きな人も増えています。
■
■・・・
■■地縄を張ってみる■■2014年1月~
■建物の配置が決まってきましたので、敷地の小川とか池とかとの関係が実際どの様になっているのか、現地で確認することにしました。
■地縄という作業になります。地縄用の図面を作成しました。
■地縄は一人ではできませんので、今回は森の整備でお世話になっている森林組合の方にお手伝いお願いしました。
■建物配置ポイントは敷地境界ポイントから三角形になるように巻き尺を引っ張り頂点に木杭を打ち込みます。
■建物の頂点をそれぞれ結んでいけばそれが建物の外周となります。最も原始的な地縄のやり方になりました。
■その外周から、細かい出っぱりと引っ込みをそれぞれ付け加えていけば建物の配置は完了です。
■二人で半日作業となりました。
ここでは水平レベルの測量とかはまだしていません。
■事前に作図した図面の通りでした。
■敷地の樹木の位置が測量図に記入されていましたので、それとの位置関係をチェックするとほぼ配置は間違いないという事がわかりました。
■樹木の位置まで測量図に入れておいて正解だったと思いました。
■測量はプロの電子機器を使って測量しますので、ビックリするくらい正確で早くできてしまいます。
■小川と池の位置もその測量図の樹木の位置を基準に図面に描きこんでいますので、それほどの誤差はありませんでした。
■建物の角に木杭を打ち込んで、それらをひもで結んでいくと建物の配置が見えてきます。
■少しは樹木も切らざるを得ないかもしれませんが、それほど多くはありません。
■
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■■大工さんを探して■■2014年1月~
■基本計画もおおよそまとまってきましたが、これ以上前に進めるにはもっと伝統構法に詳しい人にアドバイスをもらう必要がありました。
■まずは大工さんをどう探すかという問題です。もちろん独立した大工さんというよりも現実的には工務店さんということになります。
■軽井沢にも工務店さんはいくつもあって紹介してもらったことも何回かありました。
■ただ印象的には、伝統構法ということに対して皆さん経験が無い、ということでした。
■少し地域の範囲を広げて、大工さん工務店さん探しをしていくことにしました。
■
■・・・
■■雑誌とネットで情報集め■■2014年1月~
■まずはネットと雑誌で情報を集めました。
■軽井沢から車で1時間以内の工務店をピックアップ。長野県内で東信と北信が中心となります。
■一番参考になったのは、「新建新聞社」が発行してた和風住宅の雑誌でした。
■これまで考えてきたように、今回の計画は明らかに和の住まいとなります。そのようなジャンルの出版物を探していくと、そこにたどり着きました。
■この出版社は長野地元ですが、東京埼玉の本屋さんでもよく見かけました。
■「和風住宅」という年一回出版の雑誌があります。過去のバックナンバーをお取り寄せしました。15年分くらいです。
■長野県の作品がメインで、他には新潟、富山、静岡といったエリアを中心に紙面を構成していました。
■和風住宅を作品として施工した工務店を紹介する雑誌という位置づけかと思います。
■気に入った作品に付箋を付けてピックアップし、それをノートに書きだして、工務店リストを作成しました。
■その中で、軽井沢から車で1時間以内の距離にある工務店さんをさらにピックアップしました。
■結局、5,6社に絞り込まれました。佐久から上田そして長野、松代あたりの18号線沿いに多くありました。
■ただ残念なことに、軽井沢から30分以内の工務店さん、大工さんは見つかりませんでした。
■結局、佐久1社、上田1社、長野1社の計3社にご相談することに決めました。
■各社それぞれに電話で、打合せできる日時のアポイントをお願いしました。
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■■工務店さんと打合せ■■2014年1月~
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■■大雪、1メートルの積雪にびっくり■■2014年2月15日
■前日は上田の工務店さんのところに計画の説明を兼ねて、ご挨拶にいきました。
■打合せが終わって軽井沢への帰り道、すでに降っていた雪が急に激しくなり、路面を白く覆うようになってきました。
■途中、路面が滑るので車は全てノロノロ運転になってしまい、時には一般車が立ち往生したりしてしていました。
■そのためひどい車の渋滞が発生して、おそらく普通の2倍以上は時間がかかってしまいましたが、無事軽井沢に帰って来ることができました。
■その晩は軽井沢の駅前のホテルに宿泊していましたので、朝までは特に問題はありませんでした。
■ところが朝、目覚めてみると大変なことになっていました。外の景色が真っ白です。
■
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■■枯れ木のチェックをする■■2014年4月
■大工さん探しを続けながら、軽井沢の現地では2年目の植樹の季節になりました。
■軽井沢では、植樹はこの時期に限定されます。
■常緑樹は秋でも大丈夫のものもあるようですが、広葉樹は基本的に春から梅雨の前まで、と考えておいた方が良さそうです。
■昨年秋のヤマモミジの移植は、時期的には良くない時期でしたが、その時期しかできませんでしたのでやむを得なかったと思っています。
■そして1年目に植栽した樹木の枯れ木のチェックをして、どういう種類が弱かったのか強かったのか、調査しました。
■枯れ木保障といって、植木の世界では植えて1年後に枯れていれば保障して新たに植え替えますよ、という事のようです。
■幸いなことに、枯れてしまっている樹々はほとんどありませんでした。良かったでです。
■ただ、大丈夫な樹とそれ程でもない樹とこの段階ではよく分からない樹とがあるように見えました。
■
■・・・
■■2年目の植樹をする■■2014年5月~7月
■昨年秋から冬にかけて、春日の森の間伐を森林組合さんにしてもらいました。
■見違えるように明るくすっきりした森になりました。
■そこには雑木がいっぱい生育していたのですが、低木でも1.5mくらいより大きな雑木は刈り取らないで残しておいてもらいました。
■今年は、それらを春日から軽井沢に移植する計画にしています。
■それらはヤマモミジとかアブラチャンとかヤマツツジなどのそれほど大きくない野生の落葉広葉樹でした。
■これは昨年の植樹の結果を観察して、考えたことでした。
■昨年最初に植樹した樹木たちは主に埼玉県から運んだ樹木が多かったのですが、
■もしかして植樹は基本的にその場の同じような環境で育った樹木を移植するべきではないか?という今さらながら、という話です。
■当たり前の事に気が付いたのでしたが、幸いに春日の森に樹が残してありました。
■軽井沢の敷地にはその他にも、今年は主に常緑広葉樹を植える計画をたてました。
■アラカシ、シラカシ、ソヨゴ、などです。
■サワラという常緑針葉樹も候補に考えていましたが、針葉樹は今後検討するという事にして、まず常緑の広葉樹を植えたいと考えました。
■針葉樹に比べて広葉樹は風景が明るく柔らかくなるように感じます。
■常緑の針葉樹はモミの樹を検討することにしました。
■とにかく既存の広葉樹とバランスをとるためには相当数の大き目の針葉樹が必要な感じがしていましたので、そのためにはモミの樹が適しているように思われました。
■
■・・・
■■軽井沢の夏休み■■2014年8月
■軽井沢の7、8月は現場での作業が一切禁止されてしまいます。
■別荘に人が多く訪れますので、工事とか作業の音でうるさいとすぐに役場に苦情が行くそうです。
■敷地の造園作業ももちろんできませんでした。
■そんな中、工務店さんと何回も打合せを重ねてきましたが、そろそろ結果が出る時期がきたようです。
■
■・・・
■■残念。決定できませんでした■■2014年8月
■軽井沢の夏休みの終わり、工務店さんからの回答がやってきました。
■結論からすると残念ながらすべての工務店さんから断られてしまいました。
■皆さん口をそろえておっしゃることは「うちには荷が重い」という一言でした。
■こちらが断ったのではなく先方さんから断られましたので、少し気が楽でしたが。
■少し時間をかけて、これまでの計画を振り返り分析してみたいと考えます。
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■・・・
■■反省作業の大切さ■■2014年8月~2015年3月
■工務店さんに断られてしまった原因はいくつもあると思います。
■ここでしっかり反省しておきたいと考えました。
■ひとつは設計施工でお願いすることに無理があったのかもしれません。
■基本設計はできていましたが、単なるラフプラン程度の図面で構造的な押さえは全て工務店さんにお願いしたいと考えていました。
■今から振り返ってみれば、無茶なお願いだったかもしれません。
■設計がすべてできていて、この図面で施工をお願いできませんでしょうか?という依頼の仕方であれば、状況は変わっていたかもしれません。
■建物が大き過ぎた事も原因のひとつとしてあったと思います。
■大きい建物を設計施工で請け負うリスクを考えれば、小規模の工務店さんにとっては難しい選択だったと今では反省しています。
■もう一つ大きな理由として考えられることがあります。
■今回の家づくりを伝統構法で造りたかった、という点です。
■これによって、ハードルが非常に高くなってしまった、ということなのですが。
■
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■■伝統構法という高いハードル■■2014年8月~2015年3月
■伝統構法がこんなにもハードルが高い構法だとは、それほど考えていませんでした。
■確かに最近では見かける事はめっきり減ってしまっていましたが、それでも普通に家は建っていて、普通に皆さん暮らしているように見えていました。
■もちろん、建築基準法の問題があることは事前に分かっていましたので覚悟はしていました。
■それだけではなかったのです。それよりも大きな問題がありました。
■それぞれの工務店さんが口を揃えておっしゃたことがあります。
■「もう、5年早く来てくれればなぁ」と。
■どういうことなのでしょうか?
■伝統構法のできる大工さんが、後5年若かったら出来るのになぁ、という事なのです。
■5年前はまだ現役で頑張っていた大工さん達も、この5年という年月でみんな引退してしまった。残念でしたねぇ、と皆さんに言われました。
■若い大工さんはどうしてしまったのでしょう?
■調べてみると、いろいろとややこしい問題がありました。
■
■・・・
■■プラン上の問題点も■■2014年8月~2015年3月
■プラン上での反省点は、これ一点です。
■建物を分散させなかったことです。
■当初から樹木を出来るだけ残す、としてきました。その時にも建物を分散させて渡り廊下でつないで、というアイデアは持っていたはずです。
■それなのに一棟の大き目な建物にまとめてしまった事は重大なミスでした。
■厳密には2棟の建物を縁側とか渡り廊下でつないだプランにはなっているのですが、どちらかと言えば建物で連結してしまった形になってしまいました。
■おそらくj樹木の伐採を極力少なくする事に神経がいき過ぎてしまい、小さな敷地内での設計のようなプランニングをしてしまったと思われます。
■多少の樹木の伐採はやむを得ない、と割り切る決断も必要だったのかもしれません。なかなか難しい線引きだと思いますが、この段階で気付いてよかったと感じています。
■分散させるメリットをここで整理しておきたいと思います。
①樹木を多く伐採することなく、空いている部分に建物を配置できる。
②
建物の外周を大きくでき、各部屋への採光がどの方位からでも十分とれる。
③高低差がある敷地では一つひとつの建物でレベルの設定が可能であり、建物内部で段差を付ける必要はなくなる。
④一度に全体を施工する必要もなく、順次必要に応じて増築も考えて施工できる。
⑤屋根の形を単純化できる。屋根の谷の部分を最小限にできる。特にこの敷地のような森の中では広葉樹の落ち葉は屋根にとっては大敵であり、雨漏りの原因となる。積雪がある土地でもあり屋根に残った雪は速やかに下す必要がある。
⑥構造的に一つ一つの建物で完結させることが可能となる。渡り廊下をエキスパンションと考えて構造的な独立が確保される。
■もちろんデメリットもありますが、これだけのメリットを無視してはいけなかったと反省しています。
■デメリットは施工費が高くなることだけですが、この点は今後の創意工夫で何とかするしかありません。
■プランを白紙に戻して、さあ最出発です。
■
■・・・
■■再び建物のプランと配置計画を考える■■2014年8月~2015年3月
■このような反省を踏まえて、新たな計画に取り組むことになりました。
■立ち直りは結構早かったと思います。
■大工さんの問題は全く行き詰っていましたが、とにかく前に進むことにしました。
■初心に戻るとはこのことでしょうか?最初のイメージを思い出しました。
■敷地に対して建物がいくつかの棟に分かれて森の中に分散してありました。
■そしてそれらをそれぞれをつないでいくプランニングをしました。
■最初からこうすれば良かったのです。
■最初のプランニングで失敗したことで、新たな局面が生まれてきた訳です。
⇒プランニングについては重要なテーマですのいで、詳細は別紙でご報告します。
■・・・
■■一面の雪景色■■2014年12月
■
■・・・
■■改めて、里山に暮らす■■
■これまでさいたま市で生活して来ました。その前は東京に住んでいました。都会での暮らしが続いていました。
■子供の頃は田舎でしたがその頃は日本はどこもが田舎だったように思います。
■テレビとかで田舎暮らしの様子をよく目にするようになりました。定年退職者の方が都会の住居を売却して田舎に移住して畑で野菜をつくって暮らしています。
■自給自足まではなかなか難しいのでしょうが、それを目指して田舎暮らしを楽しんでいる様子を見てうらやましいと感じる人は多くいると思います。
■農業をしながらの田舎生活は里山での昔「なつかしい暮らし」を思い出します。
■・・・
■■暮らしの再生とは■■
■「なつかしい暮らし」を考えています。新たな拠点を考える上で大切にしている事が「なつかしい」という言葉です。
■新たな拠点つくりとは、新たな故郷(ふるさと)つくりです。でもいきなり故郷(ふるさと)はできません。何十年か時間が積み重なって故郷(ふるさと)に近づいていくのだと思います。最初は拠点でしかありません。
■なつかしい、とは思い出など過去への思いです。新たな、とは何年か後の未来への思いです。
■「なつかしい未来」という言葉があります。
■未来になにか成そうとすれば過去に学びましょう、という風にも理解できます。何か後ろ向きな感じもします。
■もっと積極的に過去に向き合いましょう。そこから未来が見えてきます。前ばかり見ないで後ろを見る勇気も大切です。
■一周遅れでも良いのではないでしょうか?周回遅れでも大丈夫でしょうか?もっと切羽詰まった気持ちが現れていると思います。
■経済社会では皆と同じ行動をするように仕組みがつくられています。
■皆と異なった行動をすると仲間に入れてもらえません。そしてものすごいスピードで皆と一緒に流れていく事を要求されます。
■その流れの中では立ち止まることも許されません。ましてや逆に進むなど全く不可能です。
■流れに逆らわず少しだけゆっくりと周りから遅れていく事くらいは、誰にも気づかれることなく、できそうです。
■すると、少しずつ少しずつ皆より遅れていきます。
■過去を振り返ってみますとこの経済社会は時代とともに同じことを繰り返します。そしてある時いきなりボンとはじけてなくなってしまいます。そして又繰り返す。
■流れに一生懸命追いついていって先頭集団で頑張ることもアリかと思います。
■少しずつ少しずつ遅れていって気が付いたらいつの間にか最終ランナーなってしまっていた、という事もあります。
■でもよく見ると、さっきまで先を走っていた連中がいなくなり、いつの間にか自分がトップランナーになっていたとしても不思議はないと思います。
■まずはそこが「暮らしの再生」のスタートかと考えます。
■
■・・・
■■なつかしい暮らしのイメージ■■
■思いつくまま言葉を並べてみました。
■古民家、土間、囲炉裏、庄屋、京都、町屋、おくどさん、伝統構法、畳、木組み、茅葺き、漆喰壁、障子、自然素材、室礼、茶の湯、歳時記。その他いろいろ。
■古民家のあのどっしりしたそれでいてかつシンプルな佇まいには以前から強く惹きつけられていました。
■外観だけでなく内部の重厚な柱梁の表しの構造の美しさ、土間空間とそれに連続するおくどさん、そのまま上がれる板の間と囲炉裏などなど。
■古民家の魅力の一番はいつも家族がそこにいて暮らしがそこにあるということです。そしてそこかしこの場所には一年の季節ごとの行事風習を行うしつらえをする場所があり毎年同じことが同じ季節に繰り返されてきました。
□風土・・・日照、風向、地形、気温、湿度、植生、他。
□エネルギー・・・薪、炭、ストーブ、ボイラー、井戸、川、他。
□伝統構法・・・木組み、漆喰壁、障子、継手、木舞、他。
□自然素材・・・無垢、木、石、土、紙、草、他。
□京都・・・町屋、旅館、京畳、中庭、坪庭、桂離宮、他。
□室礼・・・茶の湯、茶室、歳時記、露地、夏障子、他。
■何となくですが現代の家ではなく江戸時代の家を夢見ているようです。
■
■・・・
■■モミの樹の移植の話がくる■■2015年3月
■知り合いからモミの樹がたくさんあるので譲りたいという話がきました。
■場所は発地の方で、30本くらい畑に植えてありました。
■小さな苗で植えたものが自然と年月が過ぎて大きくなってしまった、という感じです。
■保管をしていたのが造園屋さんではないので、そこまでの手入れはしておらず、だからといって野生のままに大きくなったものとも違うようです。
■大きいもので高さ7メートル、小さいものでも4メートルくらい。
■運び出すには限界の大きさでした。
■以前、軽井沢のホテルからモミジの樹などを移植したことがありましたが、それ以上のボリュームでした。
■モミジは高さはやはり高かったのですが、幹とかは割と細目で軽かった印象でした。
■今回のモミの樹は幹も太く、見るからに重そうな風格がありボリューム感があります。クレーンで釣り上げる場合の幹の養生にも注意が必要とのことです。
■本数も今回は30本くらいと多く、なん往復もしないといけないようです。
■今回は春日の森でもお世話になった、地元の森林組合さんにお願いすることにしました。
■
■・・・
■■知り合いが家づくりを始めました■■2015年4月
■住宅工事の現場の事で相談があるのだけど、という連絡をもらいました。
■軽井沢にひんぱんに来るようになって4年が過ぎようとしていました。やっと知り合いもでき、このような相談をしてもらえるようにもなりました。
■工事現場に行きますと基礎工事が始まったばかりの様子でした。
■現場監督はいませんでしたが基礎工事の親方がいましたので、状況を説明してもらいました。
■話によると、どうも地盤から水が浸み出してきて、このままでは基礎工事が出来そうもない状況だという事でrした。
■建物の配置位置のすぐ裏は大きく傾斜して高くなっていました。
■これは明らかに、裏の山からの地下水が建物の配置位置の地下浅くを流れていて、基礎の部分を掘削したら水が出て来てしまった、ということです。
■裏山の傾斜が平らになるすぐ下のラインで排水ピットを掘れば解決するでしょう。
■そんなアドバイスをして、現場担当と連絡を取って、後日、私も立ち会って、施主と現場担当と基礎業者と話し合って、一応の解決になりました。
■このような地形は軽井沢には当たり前にあって、よくある事なのでしょうが、ある意味うらやましいと思います。
■1メートルも地盤を掘れば何もしないで自動的に地下水が出て来る、わけですから。
■井戸を掘ったり水中ポンプの詰まりの心配も必要なく勝手に池とか小川ができる。そんなところがうらやましいと思いました。
■
■・・・
■■大工さんを紹介してもらうことになりました■■2015年4月
■その時の基礎工事の親方と話をしていて、うちの敷地で家の計画があって伝統構法のできる大工さんを探している、と相談したところ、彼の知り合いの大工さんを紹介してもらえることになりました。
■一人は地元軽井沢で長く工務店をしている業者さん、もう一人は群馬で主に仕事をやっている工務店さんでした。
■二社ともすぐに打合せの段取りをしてもらい直接、計画のお話をさせて頂きました。
■地元軽井沢の工務店さんからは、打合せをしてしばらくすると断りの連絡が入りました。その工務店さんは別荘専門でやっていて一般住宅はやったことがないのでお断りします、とのことでした。残念ですがもう慣れました。
■群馬の工務店さんとは、その後数回打合せを重ねました。現地にも足を運んでもらい現状の様子を説明しました。
■熱心に話を聞いて頂き、伝統構法への意欲も感じられましたので、今後も計画の進み具合などをみて相談させて頂くつもりでいます。
■
■・・・
■■3年目の森の手入れとモミの樹の移植■■2015年5月~7月
■3月くらいに打診がありましたモミの樹の移植を実行することになりました。
■けっこう大がかりな移植工事になってしまいました。
■
■・・・
■■森が再生しました■■2015年7月
■森がバランスよく、より森らしくなりました。
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■・・・
■■再び地縄を張ってみる■■2015年11月
■新しいプランニングが進んできました。
■建物の配置も図面上では、ほぼ決まってきました。
■実際の敷地に置き換えた場合にどうなるのか?
■敷地が広すぎて残念ながらスケール感が分かりづらく、本当にこの配置で良いものか自信が持てない状況でした。
■それで現地で二度目の地縄を行い、建物と敷地との関係や樹木との関係、池小川との関係を体感できるようにしたいと考えました。
■この時には、井戸の移設をする決断は出来ていました。
■上の井戸から新たな井戸へポンプ類を全て移設する計画です。
■そのためには、新たな井戸の位置を正確に決めるタイミングです。
■従って建物の最終的な配置も正確に決めないといけないわけです。
■
■・・・
■■敷地の傾斜の楽しみ■■2015年11月
■敷地には傾斜もあって、全体的には8%くらいの傾斜になっていました。水平に10メートル歩くと0.8メートル下がる感じです。
■それぞれの傾斜に合わせて床の高さも確認したいと思っていました。床の高さから見える景色がどう見えるか、ということです。
■地上から床が1.5メートル高くなると、見える景色はずいぶん違ったものになります。
■敷地が傾斜している楽しみとは、場所場所で景色が変わる楽しみです。 その場所での景色が、地面を歩いているだけでは見えてこないのです。
■敷地の地縄に合わせて、実際に床を設置出来ればイメージが掴めるのになぁと、考えていました。
■もちろん仮設ですので、目の高さが設定できる簡単な床で良いのですが、設計上のプランに合わせて間取りも理解できるような床の設置が出来ないものかと、いろいろと思案していました。
■
■・・・
■■森のパーティーを企画する■■2016年1月~
■森のウェディングパーティーが企画されました。
■企画は前からあったのですが、実行に移されるかどうかは未定でした。やっと計画が整ってきたのかと感じました。
■この森を見つけた時からそのような漠然としたイメージは、持っていました。
■企画およびプロデュースは株式会社フロムフォレストが担当することになりました。
■もし実現すれば、パーティーのためのステージが当然必要になってくると思われますので、そのステージの配置を考えておくことにしました。
■建物の計画に合わせて、その通りにステージを配置できないか検討を始めました。
■ピッタリできそうな感じです。
■
■・・・
■■ろ過装置の検討、決定する■■2016年1月~
■森のパーティーが実現するかどうか、この時点でははっきり決まっていませんでした。
■もし実現した場合には、絶対きれいな水が必要になります。
■この際、水道を引いてくることも視野に入れて検討します。
■トイレはどうするのか?水洗でできるのかどうか?
■ともかく、水道が難しい場合も考えて、ろ過装置をパーティーに間に合わせる必要はありそうでした。
■すでに井戸を掘った時からろ過装置は必需品との認識はありましたので、検討は重ねてきています。
■やると決めたからには早急に詳細を打合せ、検討してその後見積り、という段取りになります。
■森のパーティーを実現するために様々なこれまでの保留事項がいっせいに動き出した感じです。決断する時期になったということです。
■
■・・・
■■新たな井戸工事(中の井戸)チャレンジ■■2016年4月
■最初の井戸を掘削してから3年が過ぎていました。
■相変らず鉄バクテリアにより井戸ポンプが詰まってしまい何の解決方法も無く、完全に行き詰まっていました。
■これまでの必死のチャレンジもことごとく失敗に終わっていました。
■サイホン方式しかり、コンプレッサーシステムしかり、です。
■無い知恵を絞って皆で必死に考えた結果、よく分からないという結論でした。
■その頃は建物の配置もほとんど決まってきていたのですが、その配置上想定されるベストの位置にこれまでの井戸はありませんでした。
■建物の計画が進むにつれて水廻りの位置が変わってしまっていました。やむを得ないことかと思います。
■新しい建物配置に合わせてベストの位置で井戸の掘削をもう一つすることにしました。
■新たな井戸を掘ったからといってポンプを詰まらせる鉄汚泥が無くなる訳ではなく、今までと同じ結果になる可能性の方が高かったと思います。
■これでもダメな場合は最悪井戸を使うことを諦めないといけない事態になってしまいます。最後の賭けでした。
■確信は無かったのですがポンプの深さ位置で汚泥の詰まり具合が微妙に変化があるのではないか、という仮説が井戸屋さんから提示されました。
■何の根拠もないただの職人の勘に過ぎないのですが、それに賭けるしかない状況でしたのでワラをも掴む思いで試してみました。
■今回もこれまでの井戸の掘削と同様、順調に水は吹き出してきました。
■そして、今回はそれからさらに3メートル深く井戸の掘削を進めました。
■水中ポンプの位置もこれまでより2メートルくらい深く沈めました。
■結果はすぐには分かりませんので2,3か月じっと待つしかありません。
■中の井戸は新たに掘削したのですが、ポンプと制御装置は上の井戸の物を移設しました。敷地に3つの井戸は多すぎると判断したためです。
■最終的には井戸は、ポンプアップがひとつ、手汲みがひとつ、で納めたいと考えていました。
■上の井戸はポンプで水を汲み上げる事は断念しましたので、そこからの小川は枯れてしまいました。
■ただ形は枯山水のまま残っていますので、大雨が降った時には雨水排水の役割は果たしてくれそうです。
■井戸の水位が地面から下に6メートル位と高い位置まで水がありましたので、手押しポンプを設置すれば電気無しで水を汲み上げる事は可能です。
■将来必要になれば設置したいと思います。
■
■・・・
■■運が良かったようです■■2016年7月~
■そして、3か月過ぎても4か月経ってもポンプが詰まること無く順調に水を汲み上げ続けてくれました。本当にうれしかったです。
■ただ原理は未だに不明です。運が良かったのだろうと思います。
■なぜ最初からこうしなかったのでしょうか?それを今さら言うのはヤボというものでしょうか。これまでの試行錯誤は無駄ではなかったと思います。
■下の井戸のポンプの詰まりは解決したわけではなくそのままですが、中の井戸で解決したように水中ポンプの設置深さを変えてやれば解決するような気がしています。
■しばらくは中の井戸ひとつだけを動かして様子を見ながら、今後の給水計画を立て直すことにしました。
■
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■■ろ過装置を施工する■■2016年4月~5月
■こちらも検討を始めてから3年が過ぎました。途中様々な検討を重ねてきました。
■井戸の汲み上げについては、水中ポンプ、サイホン、コンプレッサーと試してきました。結果、水中ポンプに決定しました。
■ろ過装置については他のろ過装置の選択肢は無くこれ一択で考えていました。これがダメなら町営水道を引いてくるしか道はなくなります。
■ただ過去の実績はあるといっても、主役は微生物で気まぐれですので実際に設置して動かしてみないと結果はわかりません。
■井戸水をろ過装置に流し始めてから、微生物が活動を始めてます。
■その後、鉄分が酸素と結合して酸化鉄になり、それを食べるバクテリアが発生し、ろ材に付着が始まります。
■それが安定してきて始めて、井戸水も安定的にろ過されるようになります。ろ過装置の能力では毎分40リットルがマックスです。
■井戸水の供給が止まってしまうと、バクテリアにとっては食料が無くなってしまう事になりますので、井戸水も安定的に供給してやる必要があります。
■井戸水がろ過されて、水質検査の結果、これで大丈夫だという結果がでるのに、1か月必要との事でした。
■従って、パーティーの1か月前には施工完了しないといけません。施工日が決定しました。5月の連休前後となりました。ギリギリです。
■このタイミングに合わせて、井戸業者、ステージ施工の工務店、テントレンタル業者、トイレレンタル業者、全てのスケジュールが決まってしまいました。
■運営とかサービスなどのソフトの部分も連動して準備が進められます。
■その他にももうひとつ、大切な小川と池の整備、植樹植栽なども造園業者さんにお願いしていて、同時進行で進めていきます。
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■■4年目、森の整備■■2016年5月
■昨年移植したモミの樹も順調に根付いて元気な様子を見せてくれています。
■今年もモミの樹も含めて新たに、いろいろ植樹することにします。
■森のパーティーが企画されていますので、それに合わせて様々な準備が進んでいます。そのタイミングに合わせて森の整備も一役買いたいのですが。
■森の整備を始めてまだ4年目です。
■毎年少しずつ整備する計画で進めてきていますが、現状では森として十分な魅力を備えるには至っていないように見えました。
■パーティーの準備として、駐車スペースの確保をすることになりました。15台くらいのスペースが必要との事です。
■図面でおおよそのレイアウトを考えて、実際の敷地で置ける場所を数えてみました。
■取りあえず樹木を伐採しなくても大丈夫なようです。敷地の一番奥、高低差では高い方にスペースがありました。イベントの動線とかの邪魔にもならないようです。
■駐車場を決め、車の動線を決めることで、この敷地での通路、車でのアプローチが決まりました。
■それに合わせて新たに植樹もします。主にモミの樹とカシの樹を車の動線に沿うように点々と配置していきます。
■将来、その間にモミジやサクラなどの落葉樹を植えたいと思っています。
■池の整備もします。これまではただ地面を掘っただけの状態でしたが、少し体裁を整え小さめの樹とか草などを植えたりします。
■小川にはやっとろ過された水が流れるようになりました。ただ水量が少なめですので、うまく小川らしい雰囲気になるかどうか不安です。
■でももう鉄バクテリアの汚泥の悩みから解放され、パーティーにも間に合いましたので、この安堵感は半端ないものでした。
■このように、これまで決めないといけないのに決めきれなかった様々な保留事項が一気に決定できました。森のパーティーのおかげです。
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■■仮設ステージとテントを設置■■2016年5月
■パーティーの1週間前、ステージの設置工事が始まりました。4日で予定しています。
■敷地は傾斜していて、テーブルやイスを置いてパーティーをするような水平な地盤がないため仮設の床を設置して水平にします。
■建物配置と同じ位置にステージを設置します。ステージ棟は全部で4つ、プラス車庫棟、ろ過装置棟、仮設トイレが男女ふたつ、となります。
■メインの4棟はステージとして床には仮設の足場用のスギ板を使いました。それを仮設用の単管パイプで組み立てます。
■本来なら仮設用ですから結構汚れていたりするのですが、新品で用意してもらえました。ウェディングパーティーということを業者さんも考えてくれたのか、うれしかったです。
■ステージの床は敷地の傾斜に合わせて全てレベルが異なっています。
■レストランステージが一番大きく一番高い位置のステージとなります。
■ここの場所では、カレーとサラダがメインのお食事をサービスする予定です。客席とは別に食事や飲み物をサービスする場所も含まれています。
■ステージを覆うテントが一番大きいのですが、他の小さなテントも中古ではなく新品で用意してもらえて、森の樹木の間から漏れてくる光がテントを通してとてもきれいです。
■向かい側のステージが新郎新婦のひな壇的なステージで、そこではゲストのアーティストが大好きな音楽の生演奏をしてもらえる場所となります。
■4つのステージは中庭を囲んで、それぞれが向かい会うよう配置されます。
■別のステージではジャズの生演奏を地元のジャズグチームが奏でてくれる予定です。
■4つ目のステージにはキャンプ用のテントを置いてキッズスペースができました。
■4つのステージは縁側のような渡り廊下で一周ぐるっと回れる設計にしています。
■もし最悪雨が降ったとしても中止することは出来ませんでしたので、ステージのテントの中と渡り廊下で全て行き来ができるようにしています。
■渡り廊下は雨では傘が必要となりますが、取りあえず地面に下りずにパーティーを楽しめるよう考えました。
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■■ステージ以外にも設置しました■■2016年5月
■メインの4つのステージ以外では、駐車場の位置にはテントのみを設置して倉庫兼休憩所としました。
■ろ過装置の設置は既に完了していましたので、その周りをぐるりシートで囲うようにしました。将来的には装置用の小屋の中に納まる予定です。
■とっても大切なトイレの設置もパーティーの2日前にギリギリ間に合いました。
■ろ過装置が完成するとほぼ同時にトイレの設置をして、ろ過装置からろ過された水をトイレに供給します。
■水洗トイレが間に合いました。どうしても水洗トイレにしたかったようです。ウェディングパーティーですから無理もありません。
■排水もその時点ではできませんでしたので、タンクに溜めておいてパーティーが終わったら汲み取り車で処理してもらいます。
■水洗トイレは茨城からトラックに積んで運んで来ました。男女ですから2台です。イベントなどの専門業者さんで、軽井沢でもマラソン競技会などで来ているそうです。
■この水洗トイレも新品で、工場から出来立てを納品して頂きました。もちろんレンタルですが最初の使用者になれましたので、ほんとにありがたいです。
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■■森のウェディングパーティー前日■■2016年5月27日
■天気の方は昨晩は少し雨が降ったのですが、本番を明日に控えて幸いなことにきれいに上がって、新緑が最高に光っています。この日を選んでよかったです。
■昨日までにステージやテントなど基本的な施設に関しては、全て完了しています。
■今日は主に最後の飾り付けの作業を、みんなで手分けして進めています。
■お料理、飲み物、音楽、ビデオ、などはそれぞれの担当者が別々に進めています。
■プロに頼まずに自分たちの仲間メインでここまでまとめてきました。もう大丈夫だという安心感のような浮き浮きした空気が森の中にも漂っています。
■造園の整備は最終的な片付けを残すばかりです。
■明日が楽しみです。
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■■森のウェディングパーティー■■2016年5月28日
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■パーティーが終わり、ゲストは帰り支度を始めたり、記念写真を取り合ったり、とくつろいだ時間がありました。
■その時、突然1羽のカモがパーティー会場に降りてきました。ステージのすぐそばです。
■何という事でしょうか?信じられません。
■森の中に池を見つけて舞い降りてきたのでしょうか?上空からでは森の大木が邪魔をしていて池は良く見えないはずですが。
■池には入らず、2,3分ほど森を散歩して、その後タッタッタッと走りながら西の空に飛んで行ってしまいました。
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⇒詳細は別紙でご報告します。画像あり。▶▶画像集project-04
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■■森のウェディングパーティーが終わって■■2016年5月29日
■宴の次の日、あいにくの雨模様でした。後片付けが残っています。
■ホテルとか結構式場ではこのような後片付けなどすることはありませんが、自分たちでやるとなるとここまで必要となります。
■と同時にテントの撤去、ステージの解体撤去、トイレ撤去、といきなり撤去が始まります。
■レンタルは日割りですので、終わったら即撤去が鉄則です。皆さんイベントのプロですから撤収は速いです。お疲れさまでした。
■あっという間にもとの森に戻ってしまいました。
■でも、もとの森とはちょっと違います。この場所であの森のパーティーが行われたという記憶はこれから一生無くなりません。
■あれだけのイベントを自分たちだけで成功させたという自信は、かかわった全ての人の胸に、宝物としてしまわれた事でしょう。
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■■家づくりを再開します■■2017年
■森のパーティーが終わってしばらくはボーっとしていましたが、家づくりを再開します。
■森のパーティーによってこれまで進めてきた計画が間違いないことも確信できました。
■さらに、床のレベルが1メートル高くなるとこんなにも景色が違うんだ、と驚かされました。
■建物の室内からの眺めも予想と違っていました。最もきれいに見えるポイントの位置が違っていました。
■このことに気付いてほんとによかったと思います。そのためだけでも森のパーティーを開いた価値があると思いました。
■そのための配置とプランニングの修正が一部必要となりますが、基本的な部分はそのままいけそうです。後は密度を上げていくだけです。
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■■材木を探して千曲川の源流へ■■2017年5月
■軽井沢で家を建てるのであれば、近くを千曲川が流れていますので、この大河に注目しない訳にはいきません。
■千曲川の源流域は、江戸時代の昔からカラマツの一大産地として有名でした。
■江戸に運ぶには山を越えて秩父の方から荒川で川流しをすることになりますが、
■できるだけ地元の素材で家づくりができればそれに越したことはありませんので、千曲川源流域のカラマツを家づくりに使えないか検討をします。
■江戸時代であれば川流しで下流の佐久までいかだで流し、そこから陸路おそらく馬で軽井沢に運ぶ、という方法も選択できたのではないかと思いますが、
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■■山から樹を切出す業者さんへ相談に行く■■2017年5月
■呼び名がよく分からないのですが、山から樹を切出す業者さんへ相談に行きました。
■山林の所有もしているそうですが、個人の所有者から依頼を受けて山の樹を切出し、丸太の状態で材木屋さんに売るという業者さんです。
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■■佐久の材木屋さんへ相談に行く■■2017年5月
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■■カラマツのヤニの問題について■■2017年5月
■カラマツのヤニの問題について考えています。
■山から樹を切出す業者さんへのメール。▶▶project-04-t1
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■■スローフードについて■■
■ファストフードが広まってきたことに対してのアンチテーゼという位置づけで始まったようですが、今ではそんなことは関係なく、スローフード運動の宣言文の下、多くの賛同者が集まって来ています。
■「食」の世界のことですが「住」の世界に関係が無いわけがありません。
■「衣」「食」「住」の三つの世界がそろって初めて「暮らし」が成り立っています。
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●「ファストフード」vs「スローフード」
→農業、漁業、食材生産、食加工、食供給、食事システム。。。無農薬野菜、有機農業、自主流通米、伝統食材など。。
●「ファストウォーター」vs「スローウォーター」
→急速濾過水道=日本式公共水道システム。今後民営化されようとしています。。。日本以外の国々は緩速濾過システムが主流になりつつある。日本が戦後真似をしたアメリカでさえも・・・。日本でも一部の行政では緩速濾過システムが採用されている、上田市など。
●「ファストハウジング」vs「スローハウジング」
→プレファブ、プレカット、人口高温乾燥木材、コンクリート、合板、集成材、ボード、新建材、ホッチキス、接合金物などなど。一般的な戦後住宅建設システム。。。伝統構法、古民家再生、日本の和の住まいなど。
■■スローフード運動 宣言文■■リンク→Slow Food International
1。私たちは郷土の食材を守ります。
2。私たちは伝統の調理の技を守ります。
3。私たちは「楽しい食べ方」の伝承と創造に努めます。
4。私たちは優れた食材をつくる生産者を応援します。
5。私たちは次代への「食の教育」に努めます。
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■■スローハウジング宣言■■→「1周遅れのトップランナー」宣言
1。私たちは「郷土の森」を守ります。
2。私たちは「伝統の技」を守ります。
3。私たちは「楽しい暮らし方」の伝承と創造に努めます。
4。私たちは「優れた素材の生産者」を応援します。
5。私たちは「日本の住まい」を次世代へ継承します。
補足。
1。については、千曲川源流域の山川森自然のこと。
2。については、大工左官建具などの伝統工法のこと。
3。については、四季折々の「室礼と遊び」のこと。
4。については、材木屋根瓦左官土障子紙畳表など。
5。については、つくり方維持の仕方などの文化継承。
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■■ファストハウジングとスローハウジング■■
■【ファストハウジング】
手間のかからない家づくり。
手間のかからない暮し造り。
手間のかからない人づくり。
■【スローハウジング】
手間のかかる家づくり。
手間のかかる暮し造り。
手間のかかる人づくり。
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■■敷地分割終了です■■2018年12月
■やっと敷地分割が終了しました。1年以上かかってしまいました。
■これまでお手数をおかけした皆様にご報告をし、年明けからの確認申請の準備およびその後の着工に向けてのご協力をお願いしました。
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■■敷地分割終了です■■2019年1月
■新しい年がやってきました。勝負の年となりそうです。
■年頭に当たって。
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■■1周遅れのトップランナー■■
■「有機農業は最先端の21世紀の農業だ。やがて世界を席巻する」
こんな事を言う人がいました。
■「伝統構法を守り日本の風土に適した住まい造り」
という考えも、それに似ていると思います。
■周回遅れとしか見えないですが、ひょっとするとトップランナー?
■1周遅れのトップランナー。
■「・・・やがて世界を席巻する」の後に、「だが、その前に戦争がある」という言葉が続きます。戦争はゴメンですが避けて通る道はもはや無いかもしれません。
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暮らしについて、リンクさせて頂きます。
⇒ リンク農文協 いま必要な「システムキッチン」を超える「台所システム」
⇒ リンク農文協 手本のない時代には過去を読む
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